不動産売却の譲渡所得とは?計算方法・取得費・減価償却を解説【2026年】【台東区・荒川区の不動産売却ならセンチュリー21クレール不動産】

コラム作成日:2025年11月2日
コラム更新日:2026年9月26日
- 土地・建物の譲渡所得は、収入金額-取得費-譲渡費用を基本に計算します。
- 買主から受け取る未経過固定資産税・都市計画税の精算金は、原則として譲渡所得の収入金額に含めます。
- 建物の取得費は購入価格そのままではなく、原則として減価償却費相当額を差し引いて計算します。
- 取得費が分からない場合は売却額の5%を概算取得費にできることがありますが、実額の取得費と自由に組み合わせる制度ではありません。
- 相続や贈与で取得した不動産は、原則として被相続人・贈与者の取得費と取得時期を引き継ぎます。
- 税率・3,000万円特別控除など「税金全体」の解説は別記事に分け、本記事では譲渡所得の計算そのものを詳しく扱います。
1. 不動産売却の譲渡所得とは
土地や建物を売却したときの譲渡所得は、売却によって得た収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。マイホームの3,000万円特別控除などを利用できる場合は、その後に特別控除額を差し引いて課税譲渡所得を求めます。
一般に「譲渡所得税」と呼ばれることがありますが、独立した名称の税金があるわけではありません。土地・建物の課税譲渡所得に対して、所得税・復興特別所得税・住民税が課税されます。
したがって、正しい税額を把握するには、最初に「収入金額」「取得費」「譲渡費用」の3つを正確に整理することが重要です。
2. 収入金額は売買代金だけではない
譲渡所得の収入金額は通常は売買代金ですが、買主から受け取る固定資産税・都市計画税の未経過分に相当する精算金なども含まれる場合があります。
2-1. 基本は土地・建物の譲渡対価
例えば、不動産売買契約書の売買代金が5,000万円であれば、まず5,000万円が収入金額の基本になります。
ただし、売買契約とは別の名目で金銭を受け取っていても、実質的に不動産の譲渡対価の一部であれば、収入金額に含める必要があります。
2-2. 固定資産税・都市計画税の精算金
不動産取引では、引渡日を基準として固定資産税・都市計画税を売主と買主の間で日割り精算することがあります。
このとき、売主が買主から受け取った未経過固定資産税・都市計画税に相当する金額は、税金の返金ではなく、譲渡所得の計算上は譲渡価額である収入金額に算入します。
一定の前提では、譲渡所得の収入金額は5,000万円ではなく、5,020万円として計算することになります。
一次情報:国税庁「土地建物を売ったときの収入金額に含める金額」
3. 取得費に含められる費用
取得費とは、その土地・建物を取得するために支払った購入代金や建築代金、購入手数料などを基礎として計算する金額です。売却時の課税譲渡所得を左右する重要な項目なので、購入時の資料を可能な限り確認してください。
土地と建物を一括購入し、契約書にそれぞれの金額がない場合は、建物の減価償却を計算するために取得価額を合理的に区分します。購入時の契約書に記載された消費税額や取得当時の資料も手掛かりとなるため、内訳を任意に決めず税理士・税務署に確認してください。
| 項目 | 取得費への取扱いの考え方 |
|---|---|
| 土地・建物の購入代金 | 取得費の基本となります。建物は減価償却費相当額の控除が必要です。 |
| 建築代金 | 建物の取得価額の基礎となります。 |
| 購入時の仲介手数料 | 取得費に含められる代表的な費用です。 |
| 購入時の印紙税 | 一定の場合、取得費に含まれます。 |
| 登録免許税・登記費用 | 一定の場合、取得費に含まれます。事業所得等の必要経費に算入したものなどは別途確認が必要です。 |
| 不動産取得税 | 一定の場合、取得費に含まれます。 |
| 設備費・改良費 | 資産価値を高める一定の支出は取得費に含まれる場合があります。 |
売却時に住宅ローンが3,000万円残っていても、その3,000万円を取得費として控除するわけではありません。住宅ローン残高は「売却代金で完済できるか」という資金計画の問題であり、譲渡所得の計算とは分けて考えます。
一次情報:国税庁「取得費となるもの」
4. 建物の取得費は減価償却が必要
建物は購入代金をそのまま取得費にできるわけではありません。所有期間中に価値が減少したものとして、一定の減価償却費相当額を建物の取得価額から差し引きます。
4-1. 自宅など非業務用建物の計算
自宅など業務に使用していなかった建物では、減価償却費相当額を原則として次の算式で計算します。
経過年数に1年未満の端数がある場合は、6か月以上は1年、6か月未満は切り捨てます。また、非業務用建物の減価償却費相当額は、原則として建物取得価額の95%が限度です。
| 主な構造 | 非業務用建物の償却率 |
|---|---|
| 木造 | 0.031 |
| 鉄筋コンクリート造・鉄骨鉄筋コンクリート造 | 0.015 |
| 金属造(骨格材3mm以下) | 0.036 |
| 金属造(骨格材3mm超4mm以下) | 0.025 |
一般的な住宅用木造建物の法定耐用年数22年そのものを33年へ変更するという意味ではありません。非業務用建物の譲渡所得計算では、法定耐用年数の1.5倍に相当する年数を基にした旧定額法の償却率を使うため、木造の場合は33年に対応する0.031を用います。
4-2. 賃貸物件など業務用建物は計算方法が異なる
賃貸住宅や事業に使用していた建物は、取得から売却までの毎年の減価償却費の合計額を基に取得費を計算します。申告時に必要経費として計上していない年があっても、計算上の減価償却費を無視できません。
自宅として使った期間と賃貸に出した期間が混在する物件などは計算が複雑になるため、売却前に税理士または税務署へ確認することをおすすめします。
一次情報:国税庁「建物の取得費の計算」
5. 取得費が分からない場合の5%概算取得費
購入時期が古い、相続したが購入資料がないなど、実際の取得費が分からない場合は、譲渡価額の5%相当額を概算取得費として計算できることがあります。
例えば3,000万円で売却した不動産の取得費が分からない場合、概算取得費は150万円です。
また、実際の取得費が譲渡価額の5%より少ない場合も、5%相当額を概算取得費として選択できる場合があります。
実際の取得費が5%より大きければ、概算取得費を使うことで譲渡所得が大きくなり、税負担が増える可能性があります。購入時の契約書、領収書、住宅ローン関係書類、通帳、相続時に引き継いだ資料などをできる限り確認してください。
5-1. 土地・建物の一部だけ取得費が分かる場合
概算取得費を選ぶ資産について、5%相当額に購入代金や購入時の手数料の実額を上乗せする計算はできません。
一方、土地と建物など取得費の判明状況が異なるときは、譲渡対価の合理的な区分も含めて個別に検討します。土地は概算、建物は実額と機械的に決めず、資料を持参して税理士・税務署へ確認してください。
一次情報:国税庁「取得費が分からないとき」
6. 譲渡費用にできる費用・できない費用
譲渡費用とは、土地や建物を売却するために直接かかった費用です。「売却の時期に支払った費用」であればすべて譲渡費用になるわけではありません。
| 費用 | 一般的な考え方 |
|---|---|
| 売却時の仲介手数料 | 代表的な譲渡費用です。 |
| 売主が負担した売買契約書の印紙税 | 譲渡費用に含まれる代表例です。 |
| 売却のための測量費 | 売却に直接必要なものは譲渡費用となる場合があります。 |
| 売却のための建物取壊し費用 | 一定の場合、建物の損失額とともに譲渡費用となります。 |
| 貸家を売るための立退料 | 一定の場合、譲渡費用となります。 |
| 修繕費・固定資産税 | 通常の維持・管理費用は原則として譲渡費用になりません。 |
抵当権抹消、住所変更などの費用を含め、支出の性質によって税務上の扱いが異なります。費用の名称だけで判断せず、具体的な支出内容を税理士・税務署へ確認してください。
一次情報:国税庁「譲渡費用となるもの」
7. 相続・贈与した不動産の取得費
相続や贈与によって取得した土地・建物は、相続時・贈与時の時価をそのまま取得費とするのではなく、原則として被相続人や贈与者の取得費を引き継ぎます。
例えば、親が2,000万円で取得した土地を相続し、その後4,000万円で売却した場合、相続時の評価額が3,500万円だったとしても、譲渡所得の取得費が自動的に3,500万円になるわけではありません。原則として親の取得費を基に計算します。
相続や贈与の際に相続人・受贈者が支払った一定の登記費用や不動産取得税についても、他の所得の必要経費とされたものなどを除き、実額取得費を使う場合には取得費に含められることがあります。
一次情報:国税庁「相続や贈与によって取得した土地・建物の取得費と取得の時期」
7-1. 所有期間も原則として引き継ぐ
長期譲渡所得・短期譲渡所得を判定する取得時期についても、相続・贈与では原則として被相続人・贈与者の取得時期を引き継ぎます。
「相続してからまだ2年だから短期譲渡所得」とは限りません。
7-2. 相続税を支払った場合は取得費加算も確認
相続税が課税された財産を一定期間内に売却した場合には、一定の相続税額を取得費へ加算できる特例を利用できることがあります。
適用期間や対象となる相続税額などに要件があるため、相続不動産を売却する場合は、相続税申告書も含めて確認してください。
8. 具体例で譲渡所得を計算
譲渡所得は「購入価格と売却価格の差」だけで計算しないことが重要です。ここでは、自宅として使用した木造住宅を売却する単純化したモデルで確認します。
| 項目 | モデル金額・条件 |
|---|---|
| 売買代金 | 5,000万円 |
| 固定資産税等精算金 | 20万円 |
| 土地の取得価額 | 2,500万円 |
| 建物の取得価額 | 1,500万円 |
| 建物 | 木造・非業務用 |
| 経過年数 | 10年 |
| 譲渡費用 | 180万円 |
説明を分かりやすくするため、購入時の仲介手数料など他の取得費や特例は考慮しないモデルです。
8-1. 収入金額
買主から受け取る未経過固定資産税等の精算金20万円も、収入金額に含めて計算します。
8-2. 建物の減価償却費相当額
木造の非業務用建物の償却率を0.031として計算すると、次のようになります。
したがって建物の取得費は、
です。
8-3. 譲渡所得
土地2,500万円と建物1,081万5,000円を合わせた取得費は3,581万5,000円です。
このモデルでは、特別控除適用前の譲渡所得は1,258万5,000円となります。
取得費として認められる購入時費用が追加できれば、このモデルより譲渡所得が小さくなる可能性があります。一方、建物の使用状況や構造、所有期間によって減価償却費相当額も変わります。
センチュリー21 クレール不動産では、台東区・荒川区を中心に、不動産の査定価格、住宅ローン残高、仲介手数料などの売却費用を整理しながら売却方法をご案内します。譲渡所得や税額、税制特例の最終判断は税理士または所轄税務署へご確認ください。
営業時間 10:00~19:00/水曜定休
9. 税率・特例を確認するときのポイント
譲渡所得を計算した後は、譲渡した年の1月1日時点の所有期間と、利用できる特別控除を確認して課税譲渡所得と税額を求めます。本記事の中心は収入金額・取得費・譲渡費用の計算です。
2026年中に売却した場合、原則として2026年1月1日時点の所有期間が5年を超えれば長期譲渡所得、5年以下なら短期譲渡所得です。相続・贈与では原則として前の所有者の取得時期を引き継ぎます。
また、一定のマイホームには3,000万円特別控除や10年超所有の軽減税率などを利用できる可能性があります。
10. 売却前に集めたい資料
取得費を正確に計算できるかどうかで、課税譲渡所得が大きく変わることがあります。査定を始める段階から、次の資料を探しておくと確定申告までスムーズです。
- 購入時の売買契約書・建築請負契約書
土地・建物の購入代金や建築代金を確認します。
- 購入時の仲介手数料・登記費用等の領収書
取得費へ含められる支出がないか確認します。
- 売却時の売買契約書・決済精算書
売買代金と買主から受け取った精算金を確認します。 - 売却時の媒介契約書・仲介手数料領収書
譲渡費用を確認します。
- 測量・解体などの契約書と領収書
売却に直接必要だった費用かを整理します。
- 固定資産税・都市計画税の精算書
買主から受け取った精算金を確認します。
- 相続関係書類
相続不動産なら被相続人の購入資料、相続税申告書なども確認します。
資料が見つからないからといって、その場で概算取得費5%と決める必要はありません。古い通帳や住宅ローン資料、購入時のパンフレットなど、取得価額を確認する手掛かりが残っていないか確認してください。
11. 譲渡所得の計算に関するFAQ
売却価格から住宅ローン残高を引けば譲渡所得になりますか?
いいえ。住宅ローン残高は譲渡所得の取得費ではありません。譲渡所得は、原則として収入金額から取得費と譲渡費用を差し引いて計算します。住宅ローン残高は、売却代金でローンを完済できるかという資金計画で別に確認します。
固定資産税の精算金は譲渡所得に含めなくてよいですか?
売買に伴い買主から受け取る未経過固定資産税・都市計画税に相当する精算金は、原則として譲渡所得の収入金額に算入します。売買代金とは別に受け取っていても同様です。
購入時の売買契約書をなくしたら取得費は必ず5%ですか?
必ず5%になるわけではありません。取得費が分からない場合には譲渡価額の5%を概算取得費とできる制度がありますが、契約書以外の資料などから実際の取得費を確認できる可能性があります。5%を使うと税負担が増える場合があるため、先に資料を探すことが重要です。
購入価格4,000万円なら取得費も4,000万円ですか?
土地だけなら購入代金等が取得費の基本となりますが、建物を含む場合は建物部分から減価償却費相当額を差し引く必要があります。一方、一定の購入時仲介手数料や登記費用などを取得費へ加えられる場合もあります。
リフォーム費用はすべて取得費になりますか?
すべてではありません。設備費や改良費など資産価値を高める一定の支出は取得費となる可能性がありますが、通常の修繕・維持管理に当たる費用などは扱いが異なります。工事内容と領収書だけでなく、見積書や工事明細も保存しておくと確認しやすくなります。
12. まとめ
不動産売却の譲渡所得を正確に計算するには、「いくらで買って、いくらで売ったか」だけでは不十分です。収入金額、取得費、建物の減価償却、譲渡費用を一つずつ確認する必要があります。
特に注意したいのは、買主から受け取る未経過固定資産税等の精算金を収入金額に含めること、建物の取得費から減価償却費相当額を差し引くこと、取得費が分からない場合に安易に5%概算取得費を選ばないことです。
相続した不動産についても、原則として被相続人の取得費・取得時期を引き継ぐため、古い購入資料が税額に影響することがあります。売却を検討し始めた段階で資料を整理しておくことが重要です。
譲渡所得を算出した後の長期・短期の税率、3,000万円特別控除、10年超所有の軽減税率、2026年度税制改正などについては、「不動産売却の税金【2026年】|税率・3,000万円控除・節税対策を解説」をご確認ください。
査定価格だけでなく、住宅ローン残高や売却諸費用まで整理することで、売却後に残る金額を具体的に検討しやすくなります。センチュリー21 クレール不動産では、台東区・荒川区を中心に不動産売却のご相談を承っています。
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※2026年9月26日時点の一般的な解説です。譲渡所得の計算・特例の適用可否・申告については税理士または所轄税務署へご確認ください。























