離婚が決まったらやるべきことリスト|住宅ローンや不動産売却の注意点を徹底解説
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離婚が決まったらやるべきことリスト|住宅ローンや不動産売却の注意点を徹底解説2026-01-18
離婚で家はどうする?住宅ローンの残債や財産分与で揉めないための知識をまとめました。ペアローンやオーバーローンの対処法など、円満に解決するためのコラム集です。
この記事のポイント
離婚時の話し合いにおいて、最も複雑でトラブルになりやすいのが「住宅ローンが残っている不動産」の扱いです。結論から申し上げますと、不動産の問題を先送りにせず、離婚協議の初期段階で「現在の査定額」と「ローン残債」を正確に把握することが解決への近道です。
特にペアローンや連帯保証人が設定されている場合、銀行の承諾なしに名義変更はできません。どちらか一方が住み続ける選択はリスクが高いため、売却して現金化し、きれいに財産分与を行う方法が最も推奨されます。
目次「離婚することになったけれど、何から決めればいいのか分からない」「家のローンが残っているけれど、どうすればいいの?」
そのような不安を抱えている方は、決して少なくありません。離婚は精神的な負担が大きいだけでなく、決めなければならない事務的な手続きが山積みです。特に、ご家族で暮らしてきた「家」の問題は、金額が大きいだけに、判断を誤ると離婚後の生活に大きな影を落としかねません。私たちセンチュリー21クレール不動産では、これまで数多くの離婚に伴う不動産売却やご相談を承ってまいりました。その経験を踏まえ、離婚時に決めておくべき基本事項と、特に注意が必要な不動産・住宅ローンの取り扱いについて、分かりやすく解説します。
1. 離婚時にまず決めるべき「子供」と「お金」の基本
不動産の話に入る前に、まずは離婚協議において避けては通れない「お子様」と「不動産以外の金銭」に関する基本事項を整理しましょう。これらは離婚届を提出する前に、しっかりと話し合って合意しておく必要があります。
お子様に関すること
未成年のお子様がいらっしゃる場合、離婚はお子様の人生にも大きな影響を与えます。特に小学生のお子様がいる場合、転校が必要になるのか、そのままの学校に通えるのかといった生活環境の変化は非常にデリケートな問題です。
親権者(しんけんしゃ)
未成年の子供がいる場合、離婚届には必ず「親権者」を記載しなければなりません。日本では離婚後は単独親権となるため、父と母のどちらが親権を持つかを決める必要があります。監護権(かんごけん)
親権とは別に、「実際に子供と一緒に暮らして身の回りの世話をする権利」を監護権と呼びます。一般的には親権者が監護権も持ちますが、事情により「親権は父、監護権は母(母が子供と暮らす)」というように分けるケースもあります。養育費
子供と離れて暮らす親が、子供を育てる親に対して支払う費用です。以下の項目を具体的に決めておきましょう。- 月額の金額:裁判所の「養育費算定表」を基準に話し合うことが一般的です。
- 支払期間:「18歳まで」「20歳まで」「大学卒業まで」など、終期を明確にします。
- 支払日と振込先:「毎月25日限り、指定口座へ振り込む」など具体的に決めます。
- 特別出費の分担:入学金、入院費、事故などの予期せぬ出費をどう分担するか決めておくと安心です。
面会交流
子供と離れて暮らす親が、子供と会って交流することです。「月に1回程度」といった頻度だけでなく、宿泊の有無、受け渡しの場所、連絡手段などを具体的に決めておきます。
詳細は こちら金銭に関すること(不動産以外)
これからの新しい生活をスタートさせるために、お金の問題は非常に重要です。
財産分与
婚姻期間中に夫婦で協力して築いた財産は、名義がどちらであっても共有財産とみなされ、原則として2分の1ずつ分けます。これを「財産分与」といいます。
対象となるのは、預貯金、生命保険の解約返戻金、車、有価証券、退職金などです。
詳細は こちら年金分割
婚姻期間中の厚生年金の納付記録を分割する制度です。将来受け取る年金額に影響しますので、忘れずに手続きを行いましょう。
詳細は こちら慰謝料
すべての離婚で慰謝料が発生するわけではありません。不貞行為(浮気)やDV(暴力)など、離婚の原因を作った有責配偶者が、精神的苦痛を与えた相手に対して支払うものです。2. 持ち家はどうする?住宅ローンの確認と基本方針
さて、ここからが本題の不動産についてです。持ち家がある場合の離婚協議は、賃貸住宅の場合と比べて格段に複雑になります。なぜなら、不動産は「簡単に分けられない」うえに、「高額な借金(住宅ローン)」が紐付いていることが多いからです。
まずは「査定額」と「ローン残債」の確認から
不動産の取り決めをする際、大前提となるのが「今の家はいくらで売れるのか(現在の資産価値)」と「住宅ローンはあといくら残っているのか(残債)」を正確に把握することです。
まずは、銀行から送られてくる返済予定表などで、現在のローン残高を確認してください。次に、不動産会社に査定を依頼し、現在の市場価値を確認します。この2つの数字を比較することで、取るべき方針が見えてきます。
アンダーローンとオーバーローンの違い
査定額とローン残債の関係によって、状況は大きく2つに分かれます。
アンダーローン(資産価値 > ローン残債)
家を売ればローンを完済でき、手元にお金が残る状態です。
例えば、査定額が4,000万円でローン残債が3,000万円の場合、売却すれば諸経費を引いても手元に利益が残ります。この利益を財産分与として夫婦で分けることができます。オーバーローン(資産価値 < ローン残債)
家を売ってもローンを完済できず、借金が残ってしまう状態です。
例えば、査定額が3,000万円でローン残債が3,500万円の場合、売却するには差額の500万円を預貯金などで補填して一括返済しなければなりません。自己資金を用意できない場合は、通常の売却ができず、「任意売却」などを検討する必要があります。離婚に伴う不動産売却・買取のご相談は
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秘密厳守のクレール不動産へ3. 【パターン別】住宅ローンの取り扱いと注意点
住宅ローンの名義や契約形態によって、リスクや解決策が異なります。ご自身の状況がどのパターンに当てはまるか確認してみましょう。
パターンA:夫の単独名義・夫の単独ローンの場合
権利関係はシンプルですが、離婚後に「誰が住むか」によって注意点が変わります。
夫が住み続ける場合
夫がそのまま住み、住宅ローンも払い続けるのであれば、銀行との契約上の問題は起きにくいでしょう。アンダーローンで評価益が出る場合は、その半額を妻に「代償金」として現金で支払うことで財産分与を行います。妻と子が住み続ける場合(要注意!)
「子供の学校を変えたくない」などの理由で、名義人である夫が出ていき、妻と子が住み続けるケースです。これは非常にリスクが高い選択です。
もし夫が養育費代わりとして住宅ローンを払い続ける約束をしたとしても、夫の再婚や失業などで支払いが滞れば、銀行は名義人である夫だけでなく、居住している妻たちにも退去を迫る可能性があります。また、契約上「名義人が居住すること」を条件としている住宅ローンが多く、銀行に無断で別居することは契約違反となり、一括返済を求められるリスクもあります。パターンB:ペアローン(共有名義・互いに連帯保証人)の場合
近年増えているペアローンですが、離婚時には最もトラブルになりやすい形態です。夫婦双方が債務者であり、お互いが連帯保証人になっているため、関係を断ち切るのが難しいのです。
どちらか一方が住み続ける場合
例えば夫が住み続けるなら、妻の住宅ローン分を夫が引き受け(一本化)、妻の持分を夫に移す必要があります。しかし、これには「夫の単独年収で、2人分の住宅ローン全額を借り換えできるか」という厳しい審査があります。
審査に通らない場合、妻は家に住んでいないのに「連帯保証人」や「債務者」のままという状態が続きます。これでは妻が将来新しい家を買おうとしてもローンが組めないなど、大きな足かせとなります。売却する場合(推奨)
ペアローンの場合、最もきれいに解決できるのは「売却」です。家を売って住宅ローンを全額返済し、残った利益を分ける。もし残債が残る場合でも、どう分担して返済するかを協議して清算してしまうのが、お互いの新しい人生のためには最善策と言えるでしょう。パターンC:住宅ローンは夫単独名義だが、妻も持分がある場合
妻が頭金を出したり、親からの贈与資金を入れたりして、家の所有権の一部(持分)を持っているケースです。多くの場合、妻は「連帯保証人」や「物上保証人」になっています。
夫が住み続ける場合
夫は妻の持分を買い取る必要があります。この際、適正な価格で買い取らなければ贈与税の問題が発生することもあります。また、妻が連帯保証人になっている場合は、銀行に交渉して保証人を外してもらう必要がありますが、代わりの保証人を立てるか、借り換えを求められることが多く、ハードルは高いのが現実です。売却する場合
売却代金で住宅ローンを一括返済します。残った利益の分配については注意が必要です。単純に持分割合で分けるのではなく、まずは夫婦の共有財産として財産分与(1/2ルール)の考え方をベースにしつつ、妻が出した頭金(特有財産)を考慮して計算するなど、専門的な調整が必要になります。4. トラブル回避のために!公正証書の重要性
離婚協議で決まった内容、特に「お金」に関する取り決めは、口約束や簡単なメモ書きで済ませてはいけません。必ず「離婚協議書」を作成し、それを「公正証書」にすることをお勧めします。
公正証書とは、公証役場で公証人に作成してもらう公文書です。この中で最も重要なのが「強制執行認諾文言(きょうせいしっこうにんだくもんごん)」です。
これは、「もし約束通りにお金(養育費や慰謝料など)を支払わなかったら、裁判をせずに直ちに給料や財産を差し押さえられても文句は言いません」という強力な約束です。住宅ローンの負担や、売却益の分配、養育費の支払いなど、長期にわたる金銭の約束がある場合、公正証書があるかないかで安心感は天と地ほどの差があります。将来のトラブルを防ぐための「保険」として、作成を強く推奨いたします。
5. 離婚時の不動産売却は専門家へ相談を
離婚に伴う不動産の問題は、単に「家を売る」というだけでなく、法律、税金、そしてご家族の感情が複雑に絡み合います。
「相手と顔を合わせたくない」「内緒で査定をしてほしい」「財産分与の計算が分からない」といったお悩みも、私たちセンチュリー21クレール不動産にお任せください。私たちは、お客様のプライバシーを厳守し、個別の事情に合わせた最適なプランをご提案いたします。必要に応じて、離婚問題に詳しい弁護士や、税金に強い税理士のご紹介も可能です。
一人で悩まず、まずはプロの視点を取り入れて、現状を整理することから始めませんか?お客様の新しい人生のスタートが、少しでもスムーズで明るいものになるよう、私たちが全力でサポートさせていただきます。
よくある質問(FAQ)
離婚前に家を売るのと、離婚後に売るのではどちらが良いですか?
一般的には「離婚前」の売却をお勧めすることが多いです。離婚前に売却して現金化しておけば、財産分与が明確になり、離婚後のトラブルを防げるからです。離婚後は連絡が取りづらくなったり、相手の協力が得られにくくなったりするリスクがあります。
住宅ローンが残っていても財産分与はできますか?
はい、可能です。ただし、計算方法が異なります。アンダーローン(資産価値>残債)の場合は、売却益(または評価益)をプラスの財産として分与します。一方、オーバーローン(資産価値<残債)の場合は、実質的な資産価値はゼロとみなされ、財産分与の対象とならない(ゼロ評価)とされることが一般的です。
夫名義の家に妻が住み続ける場合、賃貸契約を結ぶべきですか?
トラブル防止のためには契約を結ぶことが望ましい場合がありますが、注意が必要です。住宅ローンが残っている場合、銀行との契約上、名義人以外が住むことや賃貸に出すことが禁止されているケースが大半です。銀行に無断で行うと一括返済を求められるリスクがあるため、慎重な対応が必要です。
相手が売却に同意してくれません。勝手に売ることはできますか?
単独名義であれば、法律上は名義人の意思で売却可能ですが、居住している配偶者を無理やり追い出すことは権利の濫用となる可能性があります。共有名義(ペアローンなど)の場合は、相手の同意なしに家全体を売却することはできません。
査定を依頼したら、近所や相手に知られてしまいますか?
ご安心ください。不動産会社には守秘義務があり、お客様の事情を第三者に漏らすことはありません。また、訪問査定の際も社名の入っていない車で伺う、郵便物を個人名で送るなど、周囲に配慮した対応が可能です。
この記事を書いた人
山本 繁春(やまもと しげはる)
センチュリー21 クレール不動産 / 宅地建物取引士
離婚に関する不動産売買取扱件数100件以上。お客様の「これから」を第一に考え、不動産のプロとしてだけでなく、良き相談相手としてサポートいたします。離婚協議に関しては提携弁護士、税金に関しては税理士のご紹介も可能です。
コラム作成日:2026年1月18日
※本記事は作成時点の法令・情報に基づき作成されています。法改正等により内容が異なる場合がありますので、詳細はお問い合わせください。
ページ作成日 2026-01-18





















