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離婚後の親族間売買とは?親名義の家を子どもが買い取る方法と住宅ローンの注意点【台東区・荒川区の不動産売却ならセンチュリー21クレール不動産】

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  • 離婚後の親族間売買とは?親名義の家を子どもが買い取る方法と住宅ローンの注意点記事更新日:2026-08-14

    離婚で家はどうする?住宅ローンの残債や財産分与で揉めないための知識をまとめました。ペアローンやオーバーローンの対処法など、円満に解決するためのコラム集です。

    離婚後の親族間売買として、元配偶者名義の家を成人した子どもが買い取れないかと考えるケースがあります。結論からいうと、親名義の家を子どもが売買で取得することは可能です。ただし、単なる「名義変更」ではありません。所有者全員の合意、既存住宅ローンの完済と抵当権抹消、買主の融資審査、適正価格、税金、所有権移転登記を一体で組み立てる必要があります。

    特に、子ども本人が住まず親だけが住み続ける場合は、一般的な住宅ローンの資金使途に合わないことがあります。親族居住用に対応する商品もありますが、融資を利用できるか、住宅ローン控除を受けられるかは別の判断です。売買契約を先に結ぶのではなく、誰が所有し、誰が借り、誰が住むのかを金融機関へ正確に伝えてから進めます。

    この記事では、台東区・荒川区で親子間売買を検討する方に向けて、確認書類、住宅ローン、税金、契約条件、決済・登記までを実際の順番で解説します。

    離婚後の親族間売買で親名義の家を子どもが買い取る際の確認ポイント
    親名義の家を子どもが買い取る親子間売買では、所有者・住宅ローン・居住者・適正価格を分けて確認します。
    この記事のポイント(要点まとめ)
    • 先に4つを区別:登記上の所有者、住宅ローンの債務者・保証人、抵当権者、実際の居住者は別の立場です。
    • 子どもだけでは進められない:売却には所有者全員の意思確認が必要です。住宅ローンが残る場合は、既存金融機関との完済・抵当権抹消の調整も欠かせません。
    • 融資は居住方法から確認:子どもが住むのか、親だけが住むのか、買主がすでに入居しているのかを申告し、親族間売買と親族居住に対応できる商品かを契約前に確認します。現入居者間の売買など、商品上の対象外となる組み合わせもあります。
    • 安すぎる価格は要注意:時価より著しく低い対価では、時価との差額が贈与とみなされる可能性があります。査定額は税務判断を保証するものではありません。
    • 税制特例を先に確認:親から子への売却では、売主の居住用財産の3,000万円特別控除を使えないのが原則です。買主の住宅ローン控除も、居住実態や生計関係などで適用できないことがあります。
    • 契約条件を書面化:融資利用特約、既存抵当権の抹消、代金の授受、告知事項、引渡し、売主が住み続ける場合の使用条件を曖昧にしないことが重要です。
    • 期間は約2〜3か月が一つの目安:資料がそろい、融資・登記・権利関係に問題がないモデルでは、初回相談から決済まで約10週間です。親の継続居住や登記訂正がある場合は長くなることがあります。
    • 査定額だけで会社を選ばない:価格根拠、物件調査、媒介契約と報酬、融資・決済の段取り、税金・諸費用まで比較します。

    専門家確認:不動産価格と取引実務は不動産会社、融資は金融機関、税金は税理士・税務署、登記は司法書士、財産分与や当事者間の対立は弁護士へ確認してください。

    「住宅ローン名義人の同意」と「所有者の同意」は同じではありません

    所有権を買主へ移すには、登記上の所有者の意思と決済・登記への協力が必要です。実務上は所有者が売主となり、共有なら、不動産全体を売るには共有者全員が手続きに関与します。一方、住宅ローンの債務者は返済義務を負う人で、所有者と同一とは限りません。既存の抵当権は売買だけでは消えないため、通常は決済日に売却代金等でローンを完済し、抵当権抹消と所有権移転、新しい抵当権設定を連件で進めます。金融機関へ相談せず、登記だけを先に移すことは避けてください。

    親名義の家を子どもが買い取ることはできる?

    成人した子どもが親の不動産を買うこと自体は可能です。しかし、親子だから価格と支払方法を自由に決めてよいわけではありません。金融機関と税務署に対して取引の実態を説明できるよう、通常の売買以上に客観的な資料と資金の流れを整える必要があります。

    取引の形 整理のポイント 主な注意点
    親から成人した子へ売却 本稿で扱う親子間売買 融資の資金使途、適正価格、みなし贈与、売主・買主双方の税制特例
    元配偶者から元配偶者へ売却 離婚後の元夫婦間売買 親子間売買とは法的・税務上の関係が同一ではないため、離婚日、居住、生計関係を個別確認
    共有者から子へ売却 各共有者が自分の持分を処分 不動産全体を取得するには共有者全員の合意、各持分の価格、各ローン・抵当権の確認が必要
    財産分与で元配偶者へ移転 売買とは別の制度 住宅ローンは自動で移らない。分与する側の譲渡所得や取得側の登記税等を個別確認

    離婚後の持ち家について、売却・住み続ける・一方が取得する方法から整理したい方は、離婚時の持ち家はどうする?住宅ローン残債・財産分与もご確認ください。子どもではなく元妻が取得する場合は、離婚で住宅ローン残債のある家を妻が買い取る手順と名義変更で、元夫婦間売買の流れを解説しています。

    子どもが買えば親が必ず住み続けられるわけではない

    所有権を子どもへ移した後、親が住み続ける場合は、融資条件に加えて、親子間の居住ルールを決めます。無償で使用するのか、賃料を支払うのか、固定資産税・管理費・修繕費・火災保険を誰が負担するのか、いつまで住めるのかを契約書にします。賃料を受け取る場合の所得税や、無償使用を含む税務上の扱いは税理士へ確認してください。

    最初に分けて確認する4つの立場

    離婚後の不動産では、「名義」という言葉だけで話を進めると誤解が生じます。次の4つを別々に確認します。

    確認する立場 意味 確認書類
    登記上の所有者・持分 不動産を処分する権限を持つ人。共有の場合は持分ごとに所有者がいる 土地・建物の登記事項証明書
    債務者・連帯債務者・連帯保証人 金融機関に対して返済義務または保証責任を負う人 金銭消費貸借契約書、保証委託契約書、返済予定表
    抵当権者 返済されないときに担保不動産から優先弁済を受ける金融機関等 登記事項証明書、金融機関の完済案内
    実際の居住者・使用権 誰がどの根拠で住んでいるか。所有権、賃貸借、使用貸借などは別問題 離婚協議書、調停調書、賃貸借契約書、使用貸借契約書等

    離婚協議書や公正証書に「元妻と子どもが住み、元夫がローンを払う」と書いてあっても、その合意だけで金融機関との契約や登記が変わるわけではありません。反対に、所有権を子どもへ移しても、既存の債務者・連帯保証人が自動で外れることはありません。

    元配偶者名義のローンが残ったまま住んでいる場合のリスクは、離婚後も住宅ローンが元夫・元妻名義のまま|6つのリスクと対処法で詳しく整理しています。

    相談前にそろえる書類と2026年の登記注意点

    最初にそろえたい書類

    • 土地・建物の登記事項証明書、地図・公図、測量図など
    • 購入時の売買契約書、重要事項説明書、建築・リフォーム関係資料
    • 住宅ローン契約書、返済予定表、現在残高、決済予定日の完済見込額
    • 固定資産税・都市計画税の納税通知書、固定資産評価証明書
    • 離婚協議書、公正証書、調停調書・審判書、財産分与や居住に関する合意書
    • マンションの場合は管理規約、管理費・修繕積立金、滞納、修繕計画の資料
    • 戸建ての場合は境界、越境、私道、接道、増改築、雨漏り・シロアリ等の資料

    台東区・荒川区でも、借地権、私道、狭い道路への接道、未登記増築、境界未確定などがある物件は、一般的な所有権の物件と手続きが異なることがあります。地主の承諾、私道持分、建築基準法上の道路、再建築の可否などを契約前に調査します。

    離婚後の改姓・転居は登記記録も確認する

    2026年4月1日から住所・氏名変更登記が義務化

    不動産の所有者は、住所や氏名に変更があった日から2年以内に変更登記を申請することが義務付けられました。2026年4月1日より前の変更で未登記のものも対象で、原則として2028年3月31日までに申請が必要です。離婚による改姓や転居後、登記記録が旧氏名・旧住所のままなら、売買による所有権移転登記に先立って変更登記が必要になるため、司法書士へ早めに確認してください。

    法務省|住所等変更登記の義務化

    登記名義人がすでに亡くなっている場合は、その名義のまま買主へ所有権移転登記をすることはできません。相続関係を確定し、売主となる相続人への相続登記を整える必要があります。詳しくは、相続登記の義務化と売却までの手続きをご覧ください。

    財産分与の合意が済んでいるかも確認

    婚姻中に夫婦の協力で取得・維持した不動産は、単独名義でも財産分与の対象になり得ます。親から子へ売却する前に、元夫婦間で売却代金、ローン不足額、諸費用を誰に帰属させるかを確認してください。2026年4月1日以降に離婚した場合、家庭裁判所へ財産分与を申し立てられる期間は離婚日の翌日から原則5年です。2026年4月1日より前に離婚した場合は原則2年です。

    裁判所|財産分与請求調停

    親族間売買で住宅ローンを利用する条件

    「買主の返済能力」だけでは決まらない

    親族間売買では、金融機関が通常の第三者間売買より慎重に取引実態を確認することがあります。主に次の点が審査・確認の対象になります。

    • 親族間売買を融資対象としている商品か
    • 買主本人が住むのか、親族だけが住むのか
    • 売買価格と担保評価に合理的な根拠があるか
    • 既存住宅ローンの返済、抵当権抹消、新規抵当権設定を同日に行えるか
    • 売買代金が実際に売主へ支払われ、買主へ還流しないか
    • 買主の収入、勤続、年齢、他の借入れ、返済負担率、信用情報
    • 建物の接道・法令適合性・耐震性・市場性など、担保物件としての条件

    子どもが住まない場合は「親族居住用」の取扱いを確認

    一般的な住宅ローンは、借入人本人が居住する住宅を対象とする商品が中心です。一方、住宅金融支援機構のフラット35には、申込人の親などが住む「親族居住用住宅」の取扱いがあります。ただし、親族居住用を利用できることと、親子間売買が融資対象になることは別の確認事項です。取扱金融機関の審査、物件の技術基準、売買の実態などを確認する必要があり、利用できることが保証されるわけではありません。

    住宅金融支援機構|フラット35 親族居住用住宅のお申込み
    フラット35の親子間売買には対象外となる入居状況があります

    住宅金融支援機構の案内では、親子間で売買契約を締結し、所有権移転登記の登記原因が「売買」となる取引は融資対象になり得ます。ただし、買主が申込前から購入物件に住んでおり、売主と買主が同居している現入居者間の売買や、売主は住んでいないものの買主が売主から無償で借りて住んでいる場合は対象外です。現在の入居状況を含め、契約前に取扱金融機関へ確認してください。

    住宅金融支援機構|フラット35の親子間売買に関するQ&A
    住民票だけを移して居住要件を満たしたように見せてはいけません

    融資申込書には実際の居住予定と取引関係を正確に申告します。住宅金融支援機構も、本人または親族の実際の居住を確認し、投資用など目的外利用が判明した場合は全額返済を求めることがあると案内しています。金融機関に事実を伝えずに進めることは、契約違反や融資取消し等の重大な問題につながり得ます。

    住宅金融支援機構|フラット35の資金使途・利用条件

    事前審査の前に金融機関へ伝える内容

    「親から買う」「売主である親が住み続ける」「買主である子どもは同居する・しない」「既存ローンがある」といった事実を最初から伝えます。金融機関ごとに必要書類と取扱いが異なるため、商品名や審査基準を推測して契約しないことが大切です。

    売買契約の前に、登記・残債・価格・居住方法を整理します

    センチュリー21クレール不動産では、台東区・荒川区の物件査定と権利関係を確認し、親子間売買を進められる条件と、別の選択肢を整理します。融資承認や税務上の取扱いを保証するものではありません。

    営業時間 10:00~19:00/毎週水曜定休。査定を依頼しても売却する義務はありません。

    適正価格・贈与税・譲渡所得・住宅ローン控除

    「住宅ローン残債=売買価格」ではない

    売買価格は、住宅ローン残債だけで決めるものではありません。残債は完済に必要な金額であり、不動産の時価とは別です。台東区・荒川区でも、駅距離、接道、土地形状、建物状態、借地権、再建築可否、マンションの管理状態などで価格が変わります。

    価格の根拠には、近隣の成約事例、不動産情報ライブラリの取引価格、公示地価、個別の物件条件などを用います。相続税路線価や固定資産税評価額は税目的の評価であり、それだけを市場価格として使うのは適切ではありません。価格差が大きい場合や税額への影響が大きい場合は、不動産鑑定士の鑑定評価や税理士の意見も検討します。

    国土交通省|不動産情報ライブラリ
    高い査定額だけで依頼先を決めない

    査定額は成約価格や税務上の時価を保証するものではありません。比較する場合は、連絡方法・時間帯を指定して1社ずつ相談し、成約事例、価格調整の考え方、物件調査、融資条件、決済手順、仲介手数料等の諸費用まで確認してください。一括送信型の査定を使う場合は、複数社から同時に連絡が来る可能性と個人情報の取扱いも確認しましょう。

    安すぎる売買は「みなし贈与」の可能性がある

    個人から著しく低い価額で財産を取得した場合、時価と支払対価との差額は贈与により取得したものとみなされる可能性があります。「時価の2分の1以上なら必ず問題ない」という一律の安全基準ではなく、個々の具体的事情で判断されます。

    国税庁|個人から著しく低い価額で財産を譲り受けたとき

    売主の譲渡所得と3,000万円特別控除

    親に譲渡益が生じる場合は、原則として売却した翌年に譲渡所得の確定申告を検討します。親子など特別の関係がある人への売却は、居住用財産を売ったときの3,000万円特別控除を使えないのが原則です。取得費、譲渡費用、所有期間、他の特例を含め、契約前に税理士または税務署へ確認してください。

    国税庁|マイホームを売ったときの3,000万円特別控除

    買主の住宅ローン控除は融資が通っても別判定

    住宅ローン控除は、住宅ローンを利用できたという理由だけで適用されるものではありません。買主本人の居住、床面積、所得、返済期間、住宅性能・耐震性、取得相手との生計関係など、税法上の要件を満たす必要があります。子どもが所有者となり親だけが住む場合は、買主本人の居住要件を満たさないのが通常です。また、取得時および取得後も生計を一にする親族等からの取得は対象外となるため、親子同居の取引も慎重な確認が必要です。

    2026年度税制改正では住宅ローン減税が5年間延長され、2026年1月1日から2030年12月31日までに入居する場合も対象になり得ます。ただし、親族間売買の個別適用は物件と当事者の状況で判断されます。住民票だけではなく実際の居住実態が重要です。

    国税庁|中古住宅を取得した場合の住宅ローン控除の適用要件 国土交通省|住宅ローン減税(2026年度税制改正後)

    親族・元配偶者から取得する場合の控除と住民票の注意点は、離婚後の家の買取で住宅ローン控除に注意|住民票の落とし穴でも解説しています。

    買主・売主が見込む主な税金と諸費用

    負担する人 主な税金・費用 確認時期
    売主 譲渡所得税・住民税、書面契約の印紙税、既存抵当権抹消費用、仲介手数料(媒介を依頼する場合)、測量等の必要費用 売買契約前に概算し、確定申告の要否を確認
    買主 登録免許税、不動産取得税、書面契約の印紙税、司法書士報酬、融資手数料・保証料、火災保険、仲介手数料(媒介を依頼する場合) 資金計画・融資申込み前に総額を確認
    当事者間で精算 固定資産税・都市計画税、管理費・修繕積立金など 契約書で基準日と精算方法を決める

    親子間売買の実際の手続きと決済の流れ

    1. 当事者・権利・離婚時の合意を確認する

      所有者、共有持分、債務者、連帯保証・連帯債務、抵当権、居住者、離婚協議書等を確認します。共有者間の対立や財産分与の未解決がある場合は、先に弁護士へ相談します。

    2. 既存金融機関から残高と完済手続きを確認する

      現在残高だけでなく、決済予定日の完済見込額、繰上返済の申込期限、抵当権抹消書類の受領方法を確認します。返済遅延や差押えがある場合は早急な個別対応が必要です。

    3. 物件調査と価格査定を行う

      登記、法令、接道、境界、建物状態、マンション管理、借地条件などを調べ、成約事例と個別条件に基づく価格根拠を作ります。査定額だけでなく、税金・諸費用と既存ローンを差し引いた資金収支も計算します。

    4. 税務確認と買主の融資事前相談を行う

      みなし贈与、売主の譲渡所得、3,000万円特別控除、買主の住宅ローン控除を契約前に確認します。金融機関には親族関係、居住者、売主の継続居住、既存ローンを正確に伝えます。

    5. 媒介契約と取引条件を確認する

      宅地建物取引業者へ仲介を依頼する場合は、媒介契約の種類、物件調査、重要事項説明、契約書作成、融資対応、決済立会いの範囲と仲介手数料を確認します。買主が決まっている取引でも、業務範囲を曖昧にしないことが大切です。

    6. 重要事項説明を受け、売買契約を締結する

      宅地建物取引業者が媒介する場合、宅地建物取引士が契約前に重要事項説明を行います。融資利用特約、既存抵当権抹消、契約不適合責任、告知事項、引渡し、費用負担、売主の継続居住条件を契約書等に明記します。

    7. 本審査・金銭消費貸借契約・登記準備を行う

      金融機関の本審査後に融資契約を結び、司法書士が本人確認、登記原因、必要書類、既存抵当権の抹消と新規抵当権設定の段取りを確認します。登記上の住所・氏名が現在と違う場合は変更登記も準備します。

    8. 決済日に代金支払・完済・登記申請を同時に進める

      融資実行後、売買代金を売主へ支払い、その資金等で既存ローンを完済します。司法書士が抵当権抹消、所有権移転、新規抵当権設定を連件で申請し、鍵や関係書類を引き渡します。

    9. 決済後の税金・居住管理を行う

      不動産取得税の通知、翌年の譲渡所得申告、住宅ローン控除の適用確認に対応します。親が住み続ける場合は、使用契約、費用負担、修繕、保険、将来の退去・相続時の扱いを継続管理します。

    匿名モデルケース|査定額5,500万円・残債3,800万円、相談から決済まで約10週間

    以下は、親子間売買で確認する実務項目をもとに、個人が特定されないよう条件を組み替えたモデル例です。特定の成約事例や融資承認を示すものではありません。

    モデルケースの前提
    • 査定額:5,500万円。成約事例と物件条件を確認し、この金額を売買価格とした想定
    • 既存住宅ローン残債:3,800万円。決済日に売買代金から一括返済する想定
    • 売主・買主:親が単独所有し、成人した子どもが住宅ローンを利用して取得
    • 居住条件:子どもが自己居住し、親は引渡しまでに転居する条件を金融機関へ事前申告
    • その他:返済滞納・差押え・共有者間の対立がなく、登記住所と氏名、必要書類が整っている

    5,500万円-3,800万円=1,700万円は、既存ローン返済後の単純差額です。ここから売主側の仲介手数料(媒介を依頼する場合)、既存抵当権の抹消費用、書面契約の印紙税、必要に応じた測量費や譲渡所得税等を差し引くため、そのまま売主の手取りになるわけではありません。買主にも、所有権移転登記、融資手数料、保証料、火災保険等の費用が別途生じます。

    時期の目安 主な対応 確認するポイント
    1週目 初回相談・資料確認 所有者、債務者、抵当権、居住者、離婚時の合意、残債、必要書類を整理
    2〜3週目 物件調査・価格査定・資金収支の作成 査定額5,500万円の根拠、完済見込額3,800万円、税金・諸費用を確認
    3〜5週目 金融機関への事前相談・事前審査 親子間売買であること、現在と売買後の居住者、必要融資額を正確に申告
    5〜7週目 重要事項説明・売買契約・本審査 融資利用特約、抵当権抹消、引渡し、費用負担、告知事項を書面化
    8〜9週目 融資契約・完済・登記準備 完済金額、抹消書類、本人確認、所有権移転と新規抵当権設定を最終確認
    10週目 融資実行・決済・登記申請 代金支払、既存ローン完済、抵当権抹消、所有権移転、新規抵当権設定を同日に実施
    約10週間はあくまで目安です

    親が住み続ける場合、買主がすでに入居している場合、住所・氏名変更登記や相続登記が必要な場合、共有者の調整、境界・建物の問題、融資先の再検討がある場合は、3〜4か月以上かかることがあります。売買契約日は、金融機関と既存ローンの完済手続きを確認してから設定してください。

    法務局|売買による所有権移転・抵当権抹消の登記申請書様式
    重要事項説明は、すべての個人間売買で法律上自動的に行われるものではありません

    宅地建物取引業法上の重要事項説明義務は、宅地建物取引業者が売主となる場合や代理・媒介する場合に、その業者へ課されます。親子だけの直接取引では、同じ形の重要事項説明が当然に付くわけではありません。ただし、物件調査や契約条件が不要になるわけではなく、金融機関が宅地建物取引業者の関与や所定書類を求めることもあります。直接契約にする前に、金融機関、司法書士、税理士、必要に応じて弁護士へ確認してください。

    国土交通省|不動産取引の流れ・媒介契約・重要事項説明

    売買契約で曖昧にしてはいけない条件

    融資利用特約と既存抵当権の抹消

    買主が融資を利用する場合は、対象金融機関、申込額、承認期限、解除期限、否決時の扱いを融資利用特約で明確にします。「ローンが通らなければ白紙」とだけ書くと、申込義務や解除方法をめぐる紛争になり得ます。また、売主が決済時までに既存抵当権を抹消できることを契約条件にします。

    売買代金は実際に授受し、記録を残す

    売買代金の振込記録、完済資金、諸費用、精算金を明確にし、領収証などを保管します。売主が代金の全部または一部を買主へ戻す、実際には支払わない、資金使途と異なる使い方をする、といった形は、贈与・仮装取引・融資契約違反などの問題につながり得ます。

    告知事項と契約不適合責任

    親子間でも、雨漏り、シロアリ、給排水故障、境界・越境、未登記増築、再建築制限、管理費等の滞納、近隣との取決めなど、売主が把握している重要な事実を正確に共有します。契約不適合責任の期間や範囲を調整する場合も、既知の事実を隠してよいことにはなりません。物件状況報告書、設備表、修繕履歴などを使って書面化します。

    親が住み続ける場合の引渡し・使用条件

    所有権移転後も売主である親が住むなら、「空室で引き渡す」という通常の契約にはなりません。誰が住むのか、賃料の有無、契約期間、更新・解約、固定資産税・管理費・修繕費・光熱費・火災保険の負担、将来売却するときの退去条件を、売買契約とは別の賃貸借契約または使用貸借契約等で整理します。融資契約と矛盾しないことも金融機関へ確認します。

    未成年の子どもを買主にする場合

    未成年者が契約当事者になる場合は、法定代理、親権者との利益相反、家庭裁判所による特別代理人選任の要否など、成人した子どもの取引とは別の法的問題が生じます。住宅ローンの利用も現実的には難しいため、自己判断で進めず弁護士・司法書士へ相談してください。

    裁判所|親権者と未成年の子の利益相反と特別代理人

    親子間売買が難しい場合の選択肢

    親子間売買は、家を家族内に残せる可能性がある一方、融資・税務・将来の借入余力に不利な場合があります。最初から親子間売買だけに絞らず、次の方法と比較します。

    選択肢 向いている状況 主な注意点
    子どもが親から買う 子どもに返済余力があり、融資・税務・居住条件を整理できる 将来の住宅購入、みなし贈与、税制特例、親の継続居住
    元配偶者が買い取る 住み続ける元配偶者に借換え・買取資金の見込みがある 離婚時期、生計関係、財産分与、住宅ローン控除、同日決済
    第三者へ通常売却 ローン・共有関係を解消し、現金で清算したい 売却期間、媒介契約、査定根拠、告知、退去・引渡し
    自己資金を加えて完済 売買価格等だけでは残債に足りないが、不足額を用意できる 不足額、諸費用、資金の贈与性、決済日までの準備
    任意売却を相談 返済困難で、通常売却と自己資金でも完済できない 債権者等の承諾が必要。売却後の残債や税金差押えも個別調整
    リースバック 所有権を手放しても一定期間住み続けたい 売却価格、家賃、契約期間、更新、買戻し条件、総支払額
    オーバーローンでは通常の親子間売買を完結できないことがある

    売買代金と自己資金で既存ローンを完済できない場合、抵当権を抹消できず、通常の条件では所有権移転と新規融資を完結できません。返済困難がある任意売却は、既存金融機関など債権者の承諾が必要で、売主・買主だけでは決められません。滞納前を含め、早めに金融機関と専門家へ相談してください。

    売却代金だけでは完済できず返済継続も難しい場合は、任意売却の流れ・相談時期・売却後に残るローンの注意点をご確認ください。親子間売買が難しい場合に住み続ける方法を比較するなら、専業主婦が離婚後も自宅に住み続ける方法|リースバックと再購入の注意点も参考になります。

    契約前の最終チェックリスト

    • 土地・建物の所有者、共有持分、登記住所・氏名が現在の状態と一致している
    • 債務者、連帯債務者、連帯保証人、抵当権者、ローン本数を確認した
    • 決済予定日の完済見込額と抵当権抹消書類の受領方法を確認した
    • 離婚協議書・公正証書・調停調書等と今回の売買条件に矛盾がない
    • 買主本人と親の現在・売買後の居住状況を金融機関へ正確に申告した
    • 親族間売買・親族居住を対象とする融資商品か、現入居者間売買などの対象外条件に該当しないか確認した
    • 査定価格の根拠を確認し、残債だけで価格を決めていない
    • みなし贈与、売主の譲渡所得、3,000万円特別控除、買主の住宅ローン控除を契約前に確認した
    • 登録免許税、不動産取得税、書面契約の印紙税、司法書士報酬、融資費用、媒介を依頼する場合の仲介手数料等を資金計画に入れた
    • 媒介契約の種類、業務範囲、報酬、連絡方法を確認した
    • 融資利用特約、既存抵当権抹消、告知事項、契約不適合責任、引渡し条件を明記した
    • 親が住み続ける場合の使用契約、費用負担、退去・将来売却の条件を決めた
    • 売買代金を実際に授受し、振込記録・領収証等を残す段取りにした
    • 子どもの将来の結婚、転職、自宅購入、相続まで含めて返済計画を確認した

    よくある質問

    離婚後、親名義の家を成人した子どもが買うことはできますか?
    可能です。ただし、単なる名義変更ではなく不動産売買です。所有者全員の合意、適正価格、売買代金の実際の授受、既存住宅ローンの完済と抵当権抹消、買主の融資審査、税金、所有権移転登記を一体で確認します。
    住宅ローンの債務者が同意すれば、親子間売買を進められますか?
    債務者の同意だけでは足りません。売却するのは登記上の所有者であり、共有不動産全体を売る場合は共有者全員の合意が必要です。抵当権がある場合は、既存金融機関と完済・抵当権抹消を調整し、住宅ローン契約上の承諾や届出の要否も確認します。
    子どもが住まず、親だけが住み続けても住宅ローンを使えますか?
    親族居住用を対象とする商品もありますが、利用できるとは限りません。フラット35では親子間売買が対象になり得る一方、買主が申込前から物件に住み売主と同居している場合や、売主が住んでおらず買主が売主から無償で借りて住んでいる場合などは対象外です。現在と売買後の居住者、親族間売買の可否、物件条件を契約前に取扱金融機関へ正確に伝えてください。
    親から子へ安く売ると贈与税がかかりますか?
    時価より著しく低い価額で取得した場合、時価と支払対価との差額が贈与とみなされる可能性があります。著しく低いかどうかは個別事情で判断され、時価の2分の1という基準をそのまま使うことはできません。不動産会社の査定に加え、必要に応じて不動産鑑定士と税理士へ確認してください。
    親子間売買で住宅ローン控除は使えますか?
    融資を受けられても、住宅ローン控除を使えるとは限りません。買主本人の実際の居住や、取得相手との生計関係、床面積、所得、返済期間、住宅の耐震性・省エネ性能などの要件を満たす必要があります。親だけが住む場合は、買主本人の居住要件を満たさないのが通常です。契約前に税務署または税理士へ確認してください。
    親子だけで直接売買し、不動産会社を通さなくてもよいですか?
    当事者間で直接契約すること自体は可能ですが、宅地建物取引業者が媒介しない場合、同業者に課される重要事項説明が自動的に行われるわけではありません。物件調査、契約条件、税務、登記、融資書類に漏れが生じるおそれがあり、金融機関が業者の関与を求めることもあるため、契約前に確認してください。
    売却価格より住宅ローン残債が多くても親子間売買できますか?
    売買代金と自己資金で既存ローンを完済できなければ、通常は抵当権を抹消できません。不足額を自己資金で補うか、返済困難がある場合は金融機関の承諾を得る任意売却などを検討します。任意売却は売主と買主だけで決めることはできません。
    子どもが買った後も親が住み続ける場合、何を決める必要がありますか?
    賃貸借か使用貸借か、賃料の有無、契約期間、固定資産税・管理費・修繕費・火災保険の負担、将来売却するときの退去条件を決めます。融資条件と矛盾しないことを金融機関へ確認し、税務上の扱いは税理士へ相談してください。

    まとめ・ご相談窓口

    親名義の家を子どもが買い取る親子間売買は、住まいを家族内に残す方法の一つです。ただし、最初に決めるのは売買価格ではありません。登記上の所有者、住宅ローン関係者、抵当権、居住者、離婚時の合意を確認し、実際に使える融資と税引後の資金収支を整理します。

    査定額の高さだけで不動産会社を選ばず、住宅ローン残債、税金・諸費用、媒介契約、告知事項、引渡し・居住条件まで説明できるかを比較してください。法律・税務・登記・融資の判断が必要な部分は、それぞれの専門家と連携して進めることが重要です。

    台東区・荒川区の親子間売買と離婚後の不動産整理をご相談ください

    売却を決めていない段階でも、現在の価格、住宅ローン残債、登記、居住条件から確認できます。事情に合わない場合は、元配偶者による買取り、通常売却、リースバックなども含めて比較します。

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    ※本コラムは、最終更新日時点の法令・税制と一般的な不動産取引・金融実務に基づく情報です。個別の法律関係、課税、登記、融資可否を保証するものではありません。法律は弁護士、税金は税理士・税務署、登記は司法書士・法務局、融資は取扱金融機関へご確認ください。

    ※査定額は売却保証額、融資評価額、税務上の時価を保証するものではありません。実際の価格、税金、諸費用、必要書類、手続期間は、物件と当事者の状況によって異なります。


    記事作成日2026-04-10

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