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離婚で共有名義の家を売却拒否されたら?売れないときの対処法【台東区・荒川区の不動産売却ならセンチュリー21クレール不動産】

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  • 離婚で共有名義の家を売却拒否されたら?売れないときの対処法記事更新日:2026-10-11

    離婚で家はどうする?住宅ローンの残債や財産分与で揉めないための知識をまとめました。ペアローンやオーバーローンの対処法など、円満に解決するためのコラム集です。

    離婚で共有名義の家を売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。

    配偶者・元配偶者が売却を拒否しているときは、登記名義・持分・住宅ローン・売却後の手取り額・居住条件を確認し、第三者への売却、一方による持分取得、期限を決めた共有継続を比較します。話し合いがまとまらない場合は、財産分与の調停・審判や共有物分割といった法的手続が選択肢になります。

    この記事では、「家を売って離婚後の生活を整理したいが、相手方が売却に応じない」という方へ、拒否の理由別の選択肢、売却時の手取り額の計算例、2026年4月施行の改正民法のポイント、台東区・荒川区の物件で注意したい点を解説します。

    共有名義の家の売却について、住宅模型と資料を前に話し合う夫婦のイメージ
    画像はイメージです。共有名義の家では、所有権・住宅ローン・居住条件を分けて整理します。

    この記事のポイント

    • 共有名義の家全体を売るには、原則として共有者全員の同意が必要です。持分が過半数でも単独では売れません。
    • 売却拒否の理由が「価格」「住み続けたい」「住宅ローン」「財産分与」のどれかによって、整理方法が変わります。
    • 判断に使う数字は査定価格だけではありません。売却諸費用と、決済日時点の住宅ローン完済必要額を差し引いた手取り額で比較します。
    • 一方が家を取得する場合は、持分の評価、資金調達、住宅ローン、登記、税金を分けて確認します。
    • 自分の共有持分だけを売ることと、家全体を通常売却することは別の取引です。
    • 2026年4月1日以後に離婚した場合、財産分与の調停・審判を申し立てられる期間は離婚の翌日から5年です。

    確認先:法律は弁護士、ローンは借入先の金融機関、登記は司法書士・法務局、税務は税理士・税務署へ確認します。論点別の案内は「相談内容ごとの確認先」をご覧ください。

    共有名義の家を相手が売却拒否するとどうなる?

    共有名義の家全体を第三者へ通常売却するには、原則として共有者全員の同意が必要です。持分が過半数あることや、住宅ローンを多く返済していることを理由に、相手方の持分まで売ることはできません。売却への反対や返答がないことを、同意があるものとして扱うこともできません。

    家全体の売却を依頼する前に、共有者全員の意向と、契約・決済・登記への協力を確認します。媒介契約(売却の依頼契約)の締結方法、代理人を立てる場合の委任状、売買契約・決済・登記の必要書類は、不動産会社と司法書士に確認してください。

    共有物の変更・管理や共有関係の解消に関するルールは、e-Gov法令検索「民法」の共有に関する規定で確認できます。

    「財産分与の対象か」と「誰が売却できるか」は別の問題です

    婚姻中に形成した不動産が財産分与の対象になるかという問題と、登記上の所有者として誰が売却手続を行えるかは分けて考えます。登記名義、共有持分、住宅ローンの債務者・保証関係、実際に住んでいる人をそれぞれ確認してください。

    持ち家を売る・一方が住み続ける・一方が取得するという全体像から確認したい方は、離婚時の持ち家の選択肢と住宅ローン・財産分与の基本も参考にしてください。

    単独名義の家と共有名義の家を区別する

    単独名義の家では、登記上の所有者が売却する権限を持つことと、その家が離婚時に財産分与の対象になるかという問題を分けて考えます。共有名義の売却ルールはそのまま当てはまりませんが、財産分与、住んでいる人の権利、合意内容、売却を止める保全処分などが問題になることがあります。争いがある場合は、売却や退去を求める前に弁護士へ確認してください。

    最初に確認する5項目

    共有名義の家で売却拒否に対応するには、登記名義・持分、住宅ローンの契約関係、完済必要額、現実的な売却見込み、居住・退去条件の5項目を資料で確認します。双方が同じ資料と数字を見られる状態にすると、どこで対立しているのかを整理しやすくなります。

    共有名義の家で最初に確認する5項目
    確認項目 主な確認資料 確認する理由
    1. 登記名義・持分 土地・建物それぞれの登記事項証明書 所有者・持分・抵当権を確認します。土地と建物で名義が異なる場合もあります。
    2. 住宅ローンの契約関係 金銭消費貸借契約書、返済予定表、保証関係の書類 債務者、連帯債務者、連帯保証人、ペアローン等を区別します。
    3. 完済必要額 残高証明書、金融機関から案内される決済予定日の完済額 残高だけでなく、利息・手数料等を含めた完済に必要な金額を確認します。
    4. 現実的な売却見込み 不動産会社の査定書、近隣の成約事例 希望価格ではなく、市場で売れる見込みのある価格帯を共有するためです。
    5. 居住・退去条件 現在の居住状況、離婚協議書等 誰がいつまで住むか、内覧や引渡しに協力できるかを確認します。

    登記識別情報や登記済証(いわゆる権利証)は、現在の名義や持分の変動をすべて確認できる資料ではありません。まず現在の登記事項証明書で権利関係を確認し、売却手続に必要な登記識別情報・本人確認資料等は司法書士と準備します。

    査定価格は、現時点の市場や物件条件から算出した売却見込みの参考価格です。実際に市場に出す売出価格や、最終的な成約価格と同じとは限りません。3つの数字を混同しないことが重要です。

    離婚前にまず相場を知りたい場合は、離婚前に家の査定を取りたい|配偶者に知られにくい進め方で、査定と売却の違いを確認できます。

    査定の相談は、共有者のどちらか一方からでも始められます。ただし、相手方が住んでいる家の室内確認、写真撮影、内覧を本人の了解なく進めることはできません。連絡方法や郵送物に配慮が必要な場合は、依頼時にお伝えください。

    相手が家を売りたくない理由を整理する

    同じ「売却を拒否している」状況でも、理由によって解決策は変わります。価格、居住、住宅ローン、財産分与など、どの論点で意見が合わないのかを分けて確認します。

    査定価格や売出価格に納得していない

    一方は早く売りたい、もう一方は少しでも高く売りたいという対立です。この場合は「売るか売らないか」だけでなく、査定の根拠、売出価格、価格を見直す時期と条件、販売期間を具体的に決めると合意しやすくなります。不動産会社によって査定額が違う場合の考え方は、財産分与で家の査定額が違う場合で解説しています。

    自分や子どもが住み続けたい

    住み続けることが目的なら、第三者への売却だけでなく、一方が相手方の持分を取得する方法や、期限を決めて一定期間だけ共有を続ける方法も比較します。

    住宅ローンが残っている場合、夫婦の間で「今後はこちらが払う」と合意しても、金融機関との債務者・連帯債務・保証の関係は変わりません。ローン契約上の居住条件に影響する場合もあるため、借入先への確認が必要です。

    売却しても住宅ローンを完済できない

    相手方が「売っても住宅ローンが残る」と考えて反対していることがあります。この場合は、査定価格とローン残高を単純に比べるのではなく、売却諸費用を差し引いた手取り見込みと、決済日時点の完済必要額を比べます。具体的な計算は住宅ローンが残っている場合の注意点と計算例で紹介しています。

    財産分与の取り分で合意できていない

    売ること自体には反対していなくても、「売却後のお金をどう分けるか」で手続が止まるケースがあります。登記上の持分割合と、離婚時の財産分与で最終的にどう分けるかは同じ問題ではありません。

    2026年4月1日施行の改正民法:財産分与の考慮要素が明確化

    改正後の民法第768条では、財産分与で考慮する事情として、財産の取得・維持への各当事者の寄与の程度、婚姻期間、婚姻中の生活水準、協力・扶助の状況、年齢、心身の状況、職業、収入などが明記されました。寄与の程度は、異なることが明らかでなければ互いに等しいものとされます。

    登記上の持分割合や住宅ローンの負担割合が、そのまま財産分与の割合になるとは限りません。離婚日による改正規定の適用と個別の分与方法は、弁護士に確認してください。根拠はe-Gov法令検索「民法」第768条と、裁判所の財産分与請求調停の案内で確認できます。

    離婚条件全体への不満が売却拒否につながっている

    養育費、慰謝料、退去時期など、ほかの離婚条件への不満が不動産売却の話に持ち込まれていることもあります。不動産会社が整理できる価格・売却条件の問題と、法律上の話し合いが必要な問題を分けることが大切です。

    売却を拒否されたときの4つの整理方法

    売却を拒否された共有名義の家を整理する方法は、双方合意による第三者への売却、一方による持分取得、期限を決めた共有継続、財産分与・法的手続による整理の4つです。住みたいかどうかだけでなく、取得資金、住宅ローン、費用負担、合意できる見込みを確認して選びます。

    共有名義の家を整理する4つの方法
    方法 向いている状況 主な注意点
    1. 双方合意で第三者へ売却 双方とも現金化して共有関係を終えたい 売出価格、価格見直しの条件、退去、費用負担、売却後のお金の分け方を整理します。
    2. 一方が相手の持分を取得 どちらかが家を取得して住み続けたい 持分の評価、資金調達、住宅ローン、税金、登記を分けて確認します。
    3. 一定期間だけ共有を継続 子どもの進学等ですぐには退去しにくい 期限、ローン、固定資産税、管理費、修繕費、使用料、将来の売却条件を具体的に決めます。
    4. 財産分与・法的手続で整理 話し合いがまとまらない、または話し合いができない 財産分与と共有物分割は別の制度です。離婚前か離婚後かで使う手続も異なります。

    方法1:双方合意で第三者へ売却する

    双方が売却に合意できれば、家を第三者へ売却して共有関係を解消する方法を検討できます。住宅ローンがある場合は、売却代金と必要に応じた自己資金で全ローンを完済し、抵当権を抹消できることが通常売却の前提です。「売る」という合意だけでは足りません。

    売出価格、価格を見直す条件、内覧への対応、退去・引渡しの時期、売却諸費用の負担、住宅ローン完済後に残るお金の分け方まで、実際に売るための条件を決めておきます。

    方法2:一方が相手の持分を取得する

    一方が住み続けたい場合は、相手方の持分を取得する方法があります。共有者が夫婦(元夫婦)の2人だけなら、一方が他方の持分をすべて取得することで単独名義にできます。

    ただし、所有権の移転と住宅ローンの債務者変更は別の手続です。既存ローンの契約条件、借り換えの可否、完済、抵当権は借入先の金融機関へ、所有権移転登記は司法書士へ、それぞれ確認してください。

    持分取得の対価と税金も確認する

    持分を取得する対価は、査定価格に持分割合を掛けた金額や、ローンを差し引いた金額の半分で自動的に決まるものではありません。売買として代金を払うのか、財産分与として移転するのか、ローンをどう整理するのかを分けて決めます。

    不動産を財産分与で渡した場合、渡した側に譲渡所得の課税が問題になります。現金のやり取りがなくても確認が必要です。課税の有無や特例の適用は、税理士・税務署へ確認してください。国税庁「離婚して土地建物などを渡したとき」のほか、離婚の財産分与で家を渡すと税金は?贈与税・譲渡所得税と売却の違いもあわせてご確認ください。

    住宅ローンの審査や名義変更については、住宅ローンが残る夫名義の家を妻が買い取る方法でも解説しています。共有持分の取得とは契約の対象が異なるため、個別の条件は借入先と司法書士へご確認ください。

    方法3:一定期間だけ共有を続ける

    子どもの進学や転居時期などの事情ですぐに売却しない場合は、期限を決めて共有を続けることも考えられます。

    問題を先送りにしないために、「いつまで共有するか」「誰が住むか」「住宅ローン・固定資産税・管理費・修繕積立金・修繕費を誰が負担するか」「滞納したらどうするか」「いつ、どの条件で売却するか」を具体的に決めます。

    一方だけが住む場合の使用料(民法第249条第2項)

    共有物を使用する共有者は、別段の合意がない限り、ほかの共有者に対して自分の持分を超える使用の対価を償還する義務を負います。離婚後に一方だけが住み続ける場合、使用料の支払いが問題になることがあります。

    根拠はe-Gov法令検索「民法」第249条第2項です。別居中・婚姻中は婚姻費用との関係もあるため、使用料の有無、金額、支払時期を決める前に弁護士へ確認し、合意内容を書面に残します。

    方法4:財産分与や法的手続で整理する

    話し合いがまとまらない場合は、財産分与の調停・審判や共有物分割といった法的手続で整理する方法があります。離婚前か離婚後かで使う手続が異なり、財産分与と共有物分割も別の制度です。詳しくは話し合いで解決できない場合で解説します。

    共有名義でも、まず査定と住宅ローン残債を整理できます

    台東区・荒川区の不動産について、売却方針が決まる前でも、査定価格・ローン残債・売却諸費用から手取り見込みを整理できます。査定を依頼しただけで売却活動が始まることはありません。

    営業時間 10:00~19:00/定休日 毎週水曜日。営業時間外・定休日はフォームをご利用ください。

    自分の共有持分だけを売却する方法は?

    自分の共有持分だけであれば、原則として他の共有者の同意なく第三者へ売却できます。ただし家全体を売る取引とは異なり、買主が新しい共有者になります。持分を手放しても、住宅ローンの返済義務や保証責任は自動的には消えません。

    共有持分だけを売る場合の注意点
    • 買主は相手方との共有関係に入るため、通常の居住用不動産より買い手が限定されやすいこと
    • 家全体の市場価格に持分割合を掛けた金額で売却できるとは限らないこと
    • 住宅ローンや抵当権がある場合、持分を譲渡しただけではローンや担保の関係はなくならないこと
    • 離婚協議や財産分与の途中で第三者が共有者になると、問題がより複雑になるおそれがあること

    「相手が売らないなら自分の持分だけ売ればよい」とすぐに決めるのはおすすめできません。まず、家全体の通常売却や相手方による持分取得で整理できないかを比べ、持分の売却を考える場合は、価格だけでなく法的な影響も事前に弁護士へ確認してください。

    抵当権が付いている持分では、所有権の移転とローン契約・担保の扱いは別です。借入先に無断で譲渡すると契約違反になるおそれがあるため、契約前に借入先へ確認します。例えば住宅金融支援機構は、離婚等の事情がある場合の承諾・審査について「返済途中で住宅を他人に譲り渡すとき」で案内しています。扱いは借入先と契約によって異なります。

    住宅ローンが残っている場合の注意点と計算例

    共有名義の家に住宅ローンが残っている場合、共有者同士が売却に合意しただけでは手続は終わりません。通常は、売却代金と必要に応じた自己資金で全ローンを完済し、抵当権を抹消できる状態にして買主へ引き渡します。決済と抵当権抹消の段取りは、借入先の金融機関と司法書士に確認します。

    「査定価格が残債より高い」だけでは判断しない

    決済時に完済資金が足りるかを確認する成約見込み価格 + 充当できる自己資金
    - 決済までに必要な売却費用
    - 全ローンの完済必要額

    マイナスなら、その条件では完済資金が足りません。プラスでも、売却後の税金・引越し費用・生活資金は別に確保します。

    個人が自宅マンションを売却し、売主側で紙の売買契約書を1通作成する試算です。仲介手数料は消費税の課税事業者が受け取る上限額とし、登記費用と一括返済手数料は、この試算で仮定した金額を使います。

    計算例:ペアローンで購入した共有名義マンションの売却(数値・条件はすべて仮定)
    項目 金額
    成約見込み価格 5,500万円
    仲介手数料の上限額((5,500万円×3%+6万円)×1.1) -188.1万円
    売買契約書の印紙税(軽減税率適用時) -3万円
    抵当権抹消登記の費用(2本分、登録免許税・司法書士報酬を含む仮定額) -4万円
    一括返済手数料(2本分の仮定額) -4.4万円
    住宅ローン完済必要額(夫2,800万円+妻2,400万円) -5,200万円
    決済時の過不足 +100.5万円

    ※成約見込み価格5,500万円・完済必要額5,200万円の差額は300万円ですが、ここで仮定した諸費用を差し引くと、決済時の余剰資金は100.5万円です。印紙税は契約金額5,000万円超1億円以下の軽減税率を適用した額で、対象となる紙の契約書を1通作成する前提です。実際の登記費用は物件数・抵当権数・登記内容・司法書士報酬等で、一括返済手数料は金融機関や手続方法で異なります。売却後の譲渡所得税、引越し費用、管理費等の精算は含めていません。

    仲介手数料の上限額の計算は東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き」、印紙税の軽減税率は国税庁「不動産の譲渡等に関する契約書の印紙税の軽減措置」で確認できます。印紙税の軽減措置は、2027年3月31日までに作成する対象契約書に適用されます。

    この仮定どおりの価格・費用・完済必要額で決済できれば、2本のローンを完済したうえで100.5万円が残る計算です。ただし、その金額を半分ずつ分けるとは限りません。各ローンへの充当方法と、財産分与でどう分けるかは別に決めます。

    成約価格だけが5,400万円に下がり、ほかの仮定条件が同じ場合、仲介手数料の上限額は184.8万円となり、決済時に残る資金は3.8万円です。追加費用や精算金があれば不足する可能性もあるため、価格を見直す条件は売り出す前に決めておきます。

    売却費用には、仲介手数料、契約方式に応じて発生する印紙税、抵当権抹消・住所変更等の登記費用、借入先の手数料などが含まれます。測量、解体、残置物の処分、未払いの管理費等がある物件では、その費用も加えます。

    完済できない場合は、共有者の合意と債権者の同意を別々に確認する

    売却代金と自己資金で完済できない場合は、借入先への相談が必要です。任意売却は、債権者の同意を得て担保不動産を売る方法です。相手方の売却拒否を解消する手段ではありません。共有不動産全体を任意売却する場合も、原則として共有者全員の合意が必要です。

    任意売却が成立するとは限らず、抵当権の抹消も保証されません。売却後に残債が残る場合は、その返済方法と保証責任を確認します。手続の一例は、住宅金融支援機構「融資住宅等の任意売却」に掲載されています。実際の条件は各債権者へ確認してください。

    ペアローン・連帯債務・連帯保証は離婚しても自動では消えない

    離婚協議書や公正証書に「今後は相手方が返済する」と書いても、金融機関とのローン契約は変わりません。保証の解除、借り換え、債務者の変更には、金融機関の審査と承諾が必要です。

    ペアローンでは、2本のローンをそれぞれ完済しなければ抵当権を抹消できないのが一般的です。売却代金の配分と各ローンへの充当方法によっては、一方に不足が生じることがあります。誰が不足分を負担するかを事前に決め、返済方法は借入先へ、財産分与との調整は弁護士へ確認してください。ペアローン特有の注意点はペアローンで買った家、離婚したらどうなる?対処法と選択肢、連帯保証が残る場合は離婚後に住宅ローンの連帯保証人から外れたい|外す方法と売却時の注意点で解説しています。

    売却合意を得るための進め方

    売却の話し合いでは、まず登記・ローン・査定の資料をそろえます。次に拒否の理由を分けて確認し、売却・持分取得・期限を決めた共有継続を同じ条件で比べます。合意できた価格・費用・退去・お金の分け方は、書面に残します。

    1. 登記・ローン・残債を確認する
      所有者、持分、債務者、連帯債務・保証関係、完済必要額を確認します。
    2. 査定を取り、売却時の手取り見込みを計算する
      査定価格だけでなく、売却諸費用とローン完済後に残る見込み額まで計算します。
    3. 相手方が拒否している理由を確認する
      価格、居住、住宅ローン、財産分与、ほかの離婚条件のどこで対立しているかを分けます。
    4. 売却以外の案も比較する
      一方による持分取得や、期限を決めた居住・共有継続などを同じ条件で比べます。
    5. 合意できた条件を書面にする
      売出価格、価格を見直す条件、費用負担、退去時期、売却後のお金の分け方、連絡方法を具体的に書きます。持分や財産分与で争いがある場合は、合意書の内容を弁護士に確認してもらうと安心です。
    6. 合意できない論点を専門家へ相談する
      論点ごとの相談先は相談内容ごとの確認先をご覧ください。

    離婚時の不動産売却で起こりやすいほかのトラブルについては、離婚時の不動産売却トラブル事例|財産分与・住宅ローンの注意点も参考にしてください。

    双方が顔を合わせることや直接の連絡が難しい場合は、代理人を通した連絡や手続ができるかを相談します。代理権、本人確認、必要書類は、不動産会社と司法書士に確認します。

    台東区・荒川区で共有名義の家を整理するとき

    台東区・荒川区で離婚に伴う共有名義の家を整理する場合は、その物件ならではの条件が売却価格や売却期間にどう影響するかを確認します。次の条件がある物件は、一般的な相場だけでは手取り額を判断しにくいため、物件を確認したうえでの査定をおすすめします。

    台東区・荒川区の物件で売却条件に影響しやすいポイント
    物件の条件 共有名義の整理で注意すること
    借地権の戸建て 借地契約と借地人の名義を確認し、第三者への売却や持分取得に伴う地主の承諾の要否、譲渡承諾料の有無を個別に確認します。必要な費用は手取り額の試算に含めます。
    狭小地・旗竿地・接道に問題がある土地 再建築の可否や建てられる建物の大きさによって、価格が大きく変わります。共有者同士の価格認識が合わない原因になりやすい条件です。
    築年数の古い木造戸建て 建物をそのまま売るか、解体して土地として売るかで、手取り額と売却までの期間が変わります。境界が確定していない場合は測量費も見込みます。
    マンション 管理費・修繕積立金の滞納がないか、別居後に誰が払っているかを確認します。滞納があると決済時に精算が必要です。

    借地権の物件については、借地権の売却のページでも解説しています。

    センチュリー21 クレール不動産では、台東区・荒川区を中心に、離婚に伴う不動産売却、共有名義の家、住宅ローン残債のある家のご相談を承っています。具体的な査定書は、共有者同士で売却・持分取得・共有継続を比べるときの共通の判断材料になります。

    よくある質問

    共有名義の家は、相手の同意なしで売れますか?

    共有不動産全体を通常売却する場合は、原則として共有者全員の同意が必要です。自分の持分だけを譲渡する場合とは異なります。持分が過半数あることや、相手方から返答がないことを理由に、家全体の売却を進めることはできません。

    自分が住宅ローンを多く払っていれば、勝手に売却できますか?

    住宅ローンを誰が多く払ったかと、登記上の所有権・共有持分は別の問題です。返済の負担が財産分与で考慮される可能性はありますが、共有不動産全体を一方だけで売却できる理由にはなりません。

    共有持分だけ売れば相手との関係を終わらせられますか?

    自分の共有持分だけであれば、原則として他の共有者の同意なく第三者へ売却できます。ただし、持分を売ってもローンの返済義務や保証責任は自動的には消えません。家全体の市場価格に持分割合を掛けた金額で売却できるとは限らず、第三者が共有者になる法的な影響もあります。契約前に弁護士と借入先の金融機関へ確認してください。

    相手が家に住み続けたい場合、売却以外の方法はありますか?

    一方が相手方の持分を取得する方法や、期限を決めて一定期間共有を続ける方法があります。住宅ローンが残っている場合は、所有権だけでなく、借り換え、債務者、保証、抵当権、居住条件を金融機関に確認する必要があります。共有を続ける場合は、使用料の有無も合意書で決めておくと安心です。

    離婚後、財産分与の話し合いがまとまらないときはどうしますか?

    家庭裁判所へ財産分与の調停・審判を申し立てる方法があります。2026年4月1日以後に離婚した場合は離婚した日の翌日から起算して5年、2026年3月31日以前に離婚した場合は同じく2年を経過すると申し立てられません。これは家の売却期限とは異なります。詳しくは裁判所の財産分与請求調停の案内をご確認ください。

    単独名義の家でも、離婚相手が売却を拒否したら売れませんか?

    単独名義の場合、共有名義の家と同じルールがそのまま当てはまるわけではありません。ただし、その家が財産分与の対象になるか、売却代金をどう扱うか、離婚協議や調停の途中で売ることに問題がないかは別に検討が必要です。争いがある場合は、売却前に弁護士へ確認してください。

    相談内容ごとの確認先

    共有名義の家の整理では、不動産・法律・ローン・登記・税金の論点が重なります。不動産会社が対応できる範囲と、ほかの専門家に確認が必要な範囲は次のとおりです。

    共有名義の家を整理するときの相談先
    相談内容 主な確認先
    査定価格、売出価格、売却期間、売却諸費用、手取り見込み 不動産会社
    財産分与の割合、調停・審判、共有物分割、合意書の内容、使用料 弁護士
    完済必要額、借り換え、債務者変更、保証解除、任意売却、居住条件 借入先の金融機関
    所有権移転登記、抵当権抹消登記、本人確認・必要書類 司法書士・法務局
    譲渡所得税、財産分与にかかる税金、特例の適用 税理士・税務署

    まとめ

    離婚で共有名義の家を売りたいのに相手方が拒否している場合、共有不動産全体を一方だけで通常売却することは原則としてできません。まず登記名義、共有持分、住宅ローン、完済必要額、査定価格、居住状況を確認し、「なぜ売却に同意できないのか」を分けて整理します。

    そのうえで、双方合意による第三者への売却、一方による持分取得、一定期間の共有継続、財産分与や共有物分割による整理を比べます。比べるときは、査定価格と残債の差額ではなく、売却諸費用を差し引いた手取り額を使います。財産分与の割合や法的手続に争いがある場合は、不動産会社だけで判断せず弁護士へ相談してください。

    財産分与の申立期間は離婚日によって異なります。話し合いが止まっている場合は、申立期限や情報開示命令の利用可否を弁護士へ確認してください。台東区・荒川区で共有名義の家と住宅ローンを整理したい場合は、売却するかどうかを決める前の段階からご相談いただけます。

    売却するか決める前でも、家の状況を整理できます

    相手方の同意がまだない段階でも、査定価格、住宅ローン残債、売却諸費用から手取り見込みを計算することで、第三者への売却、一方による取得、当面の共有継続を比べる材料になります。

    営業時間 10:00~19:00/定休日 毎週水曜日。営業時間外・定休日はフォームをご利用ください。

    この記事の著者

    センチュリー21 クレール不動産の宅地建物取引士 山本 繁春

    山本 繁春(宅地建物取引士・日商簿記2級)
    センチュリー21 クレール不動産

    台東区・荒川区を中心に、不動産売買・売却相談の実務に対応。離婚に伴う共有名義の不動産について、査定価格、住宅ローン残債、所有名義、売却条件を整理しながらご相談を承っています。

    山本 繁春のプロフィール・保有資格を見る

    公開日:2026年8月29日
    最終更新日:2026年10月11日
    公的資料確認日:2026年10月11日

    ※本記事は、2026年10月11日時点で確認した公表情報と一般的な不動産取引実務に基づいています。個別の法律・税務・登記・融資の判断は、相談内容ごとの確認先にご確認ください。

    ※計算例の数値はすべて仮定です。査定価格は、売出価格・将来の成約価格・売却の成立を保証するものではありません。成約価格、売却期間、諸費用、完済必要額は、物件の状態、市場、契約条件、決済日等によって異なります。


    記事作成日2026-08-29

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