相続不動産の遺産分割|換価分割・代償分割・共有の違いと売却の進め方【台東区・荒川区の不動産売却ならセンチュリー21クレール不動産】
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相続不動産の遺産分割|換価分割・代償分割・共有の違いと売却の進め方
更新日:2026-09-28 公開日:2026-09-28
「親の実家を兄弟で相続したが、分け方が決まらない」「売って分けると税金はどうなるのか」。不動産は預金のように額面で分けられません。主な方法は現物分割・換価分割・代償分割・共有分割の4つです。
誰も使わず売るなら換価分割、住み続ける人が代償金を払えるなら代償分割が候補です。共有は将来の管理・売却まで見通す必要があります。この記事では兄弟姉妹の間でどう分けるかを中心に、現物分割の使い方、代償金の計算例、協議前の査定、売却手順と税金を整理します。まず遺言、権利関係と価格の根拠をそろえましょう。
この記事の要点
- 売って現金で分けるなら換価分割。売却費用を精算した代金の配分と、各人の税金の扱いを協議書で決めます。
- 一人が住む・保有するなら代償分割。時価の根拠と代償金の支払能力を確かめます。
- 共有のまま持つなら管理・費用・出口を合意。家全体の任意売却には原則として共有者全員の同意が必要です。
- 査定価格は協議の資料であり、相続税評価額・成約価格・各人の手取り額とは異なります。
- 相続登記、住所等変更登記、税制特例は起算点が異なります。期限を一つにまとめて判断しないでください。
相続不動産の遺産分割が難しい理由
一軒の家を分けるには、利用者、価値、費用と債務の負担を決める必要があります。遺言、相続人、登記、ローンを先に確認します。
不動産は均等に切り分けにくく、価格も一つではない
家は預金のように半分ずつ切り分けられません。土地を分筆できても、接道や建物の位置、測量費用などで価値に差が出ます。預金も含め、遺産全体で調整します。
相続税評価額は相続税、固定資産税評価額は固定資産税や登録免許税等の基礎です。査定価格は売却見込みの目安で、売出価格・成約価格とも異なります。どの数字を代償金や配分の根拠にするか明確にします。
遺産分割前の共有状態と「共有分割」は違う
分割前の遺産は共同相続人の共有に属します。協議で持分を決めて共同所有を続ける「共有分割」とは別の段階です。法定相続分と最終的な取得割合・登記持分は必ずしも一致しません。遺言や相続放棄の有無も確認します。
協議の長期化と登記期限に注意する
相続登記は2024年4月1日から義務化されました。相続により不動産を取得したことを知った日から原則3年以内に申請します。施行前から取得を知っていた未登記不動産は、原則2027年3月31日までが経過措置の期限です。遺産分割で不動産の取得者が決まった場合には、その成立日から3年以内に内容を反映した登記も必要になります。話し合いが間に合わなければ相続人申告登記を検討できますが、それだけでは売却に必要な名義は整いません。詳しくは相続登記の期限・必要書類・費用の解説をご覧ください。
別の制度として、登記名義人の住所・氏名が変わった場合の変更登記も2026年4月1日から義務化されました。変更日から原則2年以内、施行前の未登記変更は原則2028年3月31日までです。これは相続登記とは別の義務であり、亡くなった方の住所変更を一律にこの期限へ当てはめるものではありません。相続人が取得・登記した後の住所変更や、売却時の名義人情報の一致を司法書士・法務局に確認してください。法務省の住所等変更登記の説明も参照できます。
放置すると次の相続で関係者が増え、空き家の管理費も続きます。相続放棄を検討中なら処分前に弁護士へ確認してください。
遺産分割の4つの方法を比較|現物・換価・代償・共有
相続不動産の分け方は、現物を渡す、売って代金を分ける、一人が取得して金銭で補う、持分で共同所有するの4通りが基本です。方法自体に一律の「公平さ」や「税金の安さ」はありません。使う予定と資金、他の遺産、売却の可能性で比較します。
相続不動産の4つの分割方法と判断の目安 方法 分け方・公平さ 手間 主な税務論点 対立しやすい点 向いている状況 現物分割 不動産を特定の人が取得。ほかの遺産も含めて調整可能 物件ごとの評価と配分を決める 相続税評価と将来の売却益は別 物件の価値に差がある 複数物件や十分な預金がある 換価分割 売却代金から費用等を精算して分配。現金で調整しやすい 登記・売却・精算が必要 各人の譲渡所得、特例の適用 売値、時期、費用負担 誰も使わず現金化したい 代償分割 取得者がほかの相続人へ代償金を支払う 価格根拠、資金計画、支払条件を決める 代償財産と相続税の計算 評価額、支払能力 一人が住み続けたい 共有分割 持分を取得。形式上割合をそろえやすい 当初の配分は単純でも管理が継続 将来売却時は持分と本人ごとの要件 費用、利用、売却の同意 共同保有の目的と出口を合意できる 「手間」「対立しやすい点」は法律上の順位や統計値ではなく、協議で確認したい実務上の論点です。現物分割は「一人が家、別の人が預金」などの組み合わせも含みます。
同じ持分でも、居住の利益、維持費、ローン、将来の売却益で実質的な受け取り方は変わります。
現物分割とは|家を売らずに受け継ぐ方法
現物分割は、相続財産を売って現金に換えず、家・土地・預金などをそのまま特定の相続人に割り当てる方法です。例えば兄が実家を取得し、妹が預金を取得する、複数の土地を相続人ごとに一筆ずつ取得する、といった形です。
現物分割が向く場合と公平さの確認
家を残したい人がいて、ほかの相続人には別の不動産や十分な預金を配分できる場合に検討しやすい方法です。ただし、家と預金の額面だけでなく、物件の状態、将来の修繕費、利用予定、債務なども協議の材料になります。土地を分筆する場合は、接道、測量費、分筆後の使い勝手も確認してください。
ほかの遺産だけで差を埋められないとき
実家を一人が取得し、ほかの相続人に渡せる遺産が足りなければ、取得者が自分の資金から不足分を支払う代償分割を検討します。家を売却して代金を分けるなら換価分割です。現物で取得した時点で売却益への課税が生じるわけではありませんが、相続税の有無や将来売る際の譲渡所得税は別に確認します。
換価分割とは|売って分けるメリットと注意点
換価分割は、不動産を売り、費用等を精算した代金を合意した割合で分ける方法です。売却時期、価格、税金、名義の扱いを先に決めます。
換価分割のメリット・デメリット
現金なら端数まで配分でき、空き家管理や共同所有を終えられます。一方、家を手放すことになり、希望価格で売れる保証もありません。売却益への課税も考え、手数料、測量・解体費、ローン完済額を分けて精算します。
相続登記と遺産分割協議書の書き方
亡くなった方の名義のまま買主への移転は完了できません。相続人へ登記し、共同名義で全員が売るか、換価の便宜のため代表者名義で売るかを司法書士と確認します。
代表者名義にするなら、協議書等に売却して換価分割する目的、代金の配分割合、諸費用の負担、販売条件、決済後の送金方法を明確に残します。国税庁は、代表者への登記が換価のための便宜で、調停内容に従って代金を実際に分配する事例では贈与税の問題は生じないと説明しています。協議書へ「換価分割」と書くだけで、どの事案でも贈与税を免れるわけではありません。名義と実際の分配が一致するよう、税理士・司法書士に確認してください。国税庁の換価分割と贈与税の質疑応答。
譲渡所得は誰が申告するか
代表者が代金を受け取っても全額を代表者の譲渡所得とするわけではありません。換価時に配分割合が確定していれば、その割合に応じた申告が基本です。未確定で後日分ける場合は原則として換価時の法定相続分で扱います。ただし申告期限までに代金を分割し全員が取得割合で申告した場合など、扱いが異なる事例もあります。国税庁の未分割遺産の換価と譲渡所得の事例を踏まえ、契約前に税理士と確認しましょう。
申告は相続人ごとに検討し、国民健康保険料等への影響は加入先の自治体等へ確認します。
代償分割とは|代償金の決め方と支払条件
代償分割は、一人が不動産を取得し、ほかの相続人へ代償金などを渡す方法です。価格、支払時期と資金力の確認が必要です。
代償金の計算方法と具体例|査定額の半分とは限らない
代償金は法律で「不動産の評価額の半分」と決まっているわけではありません。まず相続人全員で不動産の評価時点と価格の根拠、ほかの財産の配分を決めます。以下は兄弟が同額ずつ取得することで合意した場合の、税金や諸費用を考慮しない計算例です。
基本の考え方:代償金 = 取得する不動産の評価額 - 自分の取り分(遺産総額 × 取得割合)
計算例|実家4,000万円と預金1,000万円を兄弟で分ける
- 兄が実家(協議に用いる評価額4,000万円)、弟が預金1,000万円を取得するとします。遺産の合計は5,000万円です。
- 二人が同額ずつ取得する目標なら、各人の取り分は5,000万円 ÷ 2 = 2,500万円です。
- 兄は家4,000万円を取得するため、目標との差額4,000万円 − 2,500万円 = 1,500万円を自分の資金から弟へ支払います。
精算後:兄は家4,000万円−代償金1,500万円=2,500万円相当、弟は預金1,000万円+代償金1,500万円=2,500万円相当です。
同じ条件で預金がなく家4,000万円だけなら、代償金の目安は2,000万円です。どちらも当事者が評価額・配分に合意した単純例で、法定相続分や実際の税額を確定する計算ではありません。
例えば実家の評価額を3,600万円とするか4,400万円とするかで、上記の預金1,000万円の例なら代償金はそれぞれ1,300万円、1,700万円になります。査定や成約事例で価格帯を把握し、物件の状態と評価時点をそろえて協議します。査定書は協議の資料であり鑑定評価書とは異なります。価格で争う場合は不動産鑑定士、特別受益・寄与分や遺言などの法的判断は弁護士に確認します。
相続税の課税価格の計算は、この協議用の時価による精算例とは別です。代償金を通常の取引価額を基に決めた場合、相続税評価額との調整が必要になることがあります。税額を「各2,500万円の財産取得」と決めつけず、国税庁の代償分割の計算例を踏まえて税理士に確認してください。
協議書には支払義務と履行方法まで記す
不動産、支払相手と金額、期日、分割回数、遅延時の扱いを協議書へ記します。相続財産取得に伴う代償だと明示し、送金記録も残します。文言だけで税務処理が決まるわけではありません。
現金を用意できなければ借入条件を確認します。自身が所有する不動産で代償を払うと、時価で譲渡したものとして支払側に所得税が生じ得ます。国税庁の代償分割の課税関係に例があります。
共有分割とは|共同所有を選ぶ前に決めること
共有分割は、複数人が持分で不動産を取得します。共同利用の目的があれば選択肢ですが、家全体の任意売却には原則全員の同意が必要です。
共有者が単独・多数決・全員でできること
原則として、現状を保つ保存行為は各共有者が単独で行えます。通常の管理行為や形状・効用の著しい変更を伴わない軽微な変更は持分の価格の過半数で決め、重要な変更・処分には全員の同意が必要です。家全体を第三者へ任意売却するには、各共有者が持分を売る意思と手続きをそろえます。賃貸や大規模改修などの分類は契約期間や工事内容によって変わり得るため、個別に弁護士へ確認してください。法務省の共有物の管理に関する改正資料。
費用負担・利用・出口を合意しておく
税金・保険・修繕費の負担、居住者の利用、賃料の配分、売却を再検討する時期を書面化します。空室や大きな修繕、次の相続による持分の細分化も想定し、連絡窓口を決めます。
すでに共有なら持分買取り・売却・分割請求を検討
持分の買取り、全員での売却、自分の持分だけの売却、共有物分割請求を検討できます。持分だけの売却と家全体の売却は別で、買い手や価格も異なります。遺産分割前の遺産共有なら手続きの前提を弁護士・司法書士に確認してください。
2023年施行の民法改正で、所在等が分からない共有者について裁判所の決定を得る制度ができました。自由に売却できる制度ではなく、遺産共有には特有の制限もあるため弁護士に確認します。
どの分け方を選ぶか|利用予定と資金から考える
まず利用予定、次に代償金や維持費の負担能力を確認し、売却と共同保有の条件を比べます。
- 誰も使わず、保有の目的もない売却後の概算手取りと必要な期間を調べ、換価分割を検討。売却に反対する人がいれば理由を確認します。
- 一人が住み続けたい・持ちたい査定の価格帯とほかの遺産を踏まえ、代償金の調達と支払条件を確認。難しければ現物分割による他財産との調整や売却も比較します。
- 複数人で使う、または収益を得たい共有での管理・費用・賃貸・将来の売却に合意できるか確認。合意が難しければ単独取得や換価分割を再検討します。
家は一人、預金は別の人が取得するなら現物分割。不足分を取得者が払うなら代償分割。使わない家を売って分けるなら換価分割です。
分け方を決める前に、価格帯を確認できます
センチュリー21 クレール不動産は全国の相続不動産相談・査定に対応しています。遠方の物件や相続人が各地にいる場合も、机上査定から物件状況と売却時の価格帯・費用を整理します。査定は売却の約束ではなく、成約価格や手取り額を保証しません。法的な分割方法や税額は弁護士・税理士等と確認してください。
電話受付10:00~19:00/定休日は毎週水曜。フォームは営業時間外も送信できます。
相続不動産を売却する流れ|協議前の査定から7ステップ
換価分割は、調査→査定→協議→登記→売却→精算・申告の順で進めます。査定は協議前にできますが、売買契約前に売主を確定します。
ここでは相続人間で売却代金をどう分けるかに必要な手順を示します。売る・残す・貸すの比較や物件ごとの売り方は相続した家・空き家の売却ガイドで詳しく説明しています。
- 遺言と相続人、債務を確かめる戸籍・遺言、相続放棄の意向、ローン・抵当権・団体信用生命保険を確認します。
- 不動産と必要書類を洗い出す登記事項証明書、権利証、固定資産税の課税明細、自治体の名寄帳で私道持分や別筆の土地も確認します。2026年2月2日開始の所有不動産記録証明制度は、亡くなった方を登記名義人として検索した不動産を一覧化する手段です。ただし、登記上の氏名・住所と検索条件が一致しないものや所有権登記のない建物等は漏れることがあります。法務省の制度案内とほかの資料を併用します。
- 協議前に査定と手取りを概算する仲介と買取の価格帯・期間、諸費用、ローン完済額を確認。手取りを幅で見て代償分割とも比較します。
- 遺産分割協議を行い書面にする目的、登記名義、売値の見直し、代表者の権限、費用、代金の配分を全員で決めます。争いがあれば弁護士へ確認します。
- 相続登記を済ませる協議内容を踏まえ売主となる相続人への登記を申請します。登記簿上の住所・氏名と本人の現在の情報、抵当権の抹消条件も司法書士・金融機関と確認します。
- 媒介契約、販売、契約、決済を行う連絡窓口と価格変更の承認者を決め、境界・残置物・不具合を調査して売却、引渡しと抵当権抹消を行います。
- 費用を精算し代金を分配、申告する協議書に沿って送金記録を残し、各人の譲渡所得と特例、翌年の確定申告を確認します。
協議がまとまる前にもできる準備
登記・ローン・物件の現況を調べ、机上査定や境界確認はできます。残置物の処分、解体、賃貸・売買契約は同意や税制に影響するため先に確認します。相続放棄を検討中なら独断で処分しないでください。
換価分割で売る場合の税金・特例・費用
相続税と、売却益にかかる譲渡所得税・住民税は別です。売却代金の全額が課税対象ではなく、各人の取得費と特例を確認します。
譲渡所得の計算と取得費が不明なとき
基本式
譲渡所得 = 売却収入 -(取得費 + 譲渡費用)
税制特例に該当する場合は所定の取得費加算や特別控除を別途反映します。ローン元本の返済額はこの式の「取得費」には含めません。
取得費と取得時期は原則として亡くなった方から引き継ぎます。契約書・領収書を探し、建物は減価償却費相当額を差し引きます。不明な場合などには売却価額の5%を概算取得費とできますが、実額を調べてから比較しましょう。国税庁の相続した土地・建物の取得費、取得費不明時の扱いを参照してください。
所有期間が長期か短期かも、原則として被相続人の取得時期を引き継ぎ、売却した年の1月1日時点で判定します。税率や譲渡費用の詳しい計算は不動産売却の譲渡所得・取得費の解説を参照し、個別の申告は税理士へ確認してください。
相続税の取得費加算の特例
相続または遺贈で財産を取得し、その人に相続税が課税され、対象財産を一定期間内に売った場合、相続税額の一部を譲渡所得計算上の取得費に加算できる可能性があります。売却期限は相続開始日の翌日から、相続税申告期限の翌日以後3年を経過する日までです。一般に「相続開始から約3年10か月」と説明されますが、申告期限の起算点や個別事情を確認してください。特例の適用には確定申告と計算明細書等が必要です。国税庁の取得費加算の要件。
相続空き家の3,000万円特別控除
亡くなった方が住んでいた一定の旧耐震の家と敷地等を相続・遺贈で取得して売る場合、要件を満たせば各人の譲渡所得から最高3,000万円を控除できる可能性があります。2024年1月1日以後の譲渡で家屋と敷地等を取得した相続人が3人以上なら、上限は各人2,000万円です。単純に「売却代金から3,000万円引ける」という意味ではありません。
主な条件は、原則1981年5月31日以前の建築、区分所有建物登記がされていない家屋、相続直前に原則として亡くなった方以外が住んでいないこと、相続後の居住・賃貸・事業利用がないこと、耐震・取壊し等の条件、売却代金1億円以下などです。老人ホーム入所は別途確認します。期限は相続開始から3年経過日の属する年末、かつ現行制度では2027年末です。譲渡後、翌年2月15日までに買主等が耐震改修・取壊しをする方法もあります。市区町村の確認書等を添えた確定申告が必要です。契約前に国税庁の相続空き家特例を確認してください。
同じ家屋・敷地等の譲渡に空き家特例と相続税の取得費加算を重ねて適用することはできません。代表者単独名義での換価分割では、誰が相続・売却したと扱われるかや必要書類にも注意が必要です。登記前に相続人ごとの適用可否と税額を税理士に確認しましょう。
登録免許税・仲介手数料・その他の出費
相続登記の登録免許税は固定資産税評価額を基礎に計算し、要件に合う土地の登記等には免税措置があります。戸籍、司法書士、仲介手数料、印紙税、抵当権抹消、測量、解体費の見積もりを取り、分担を協議書に反映します。
遺産分割で意見が合わないときの対処
意見が違うときは価格・利用・費用・手続きを分けて整理し、必要なら弁護士や家庭裁判所の手続きを利用します。
価格や売却時期で意見が違う
成約事例、物件状態、仲介・買取の条件、売却期間と概算手取りを並べ、売出価格と値下げの条件を合意します。価格の争いが深ければ不動産鑑定士への依頼も検討します。
一人が住み続け、売却に反対している
住み続ける必要性と代償金の支払能力を確かめます。一定期間後に売るなら税金・修繕費、退去条件を書面に残します。独断で荷物を処分せず、居住と空き家特例への影響を弁護士・税理士へ確認します。
連絡が取れない人、判断能力に懸念がある人がいる
所在不明の相続人がいるときは、戸籍・住所等の調査を進め、必要に応じて家庭裁判所で不在者財産管理人の選任を検討します。管理人が本人に代わって遺産分割協議をするには、通常、権限外行為許可が必要です。裁判所の不在者財産管理人の説明を確認してください。
認知症の診断だけで決めつけず判断能力を確認します。本人が協議できなければ成年後見等を検討し、代理人との利益相反にも注意します。生前の本人所有物件の売却は別問題です。成年後見と不動産売却の解説も参照してください。
協議がまとまらない場合は調停・審判へ
合意できなければ家庭裁判所の調停・審判を利用できます。調停で合意を探り、まとまらなければ審判へ進むことがあります。裁判所の遺産分割調停の案内をご確認ください。
2023年施行の民法改正では、相続開始から10年経過後の遺産分割について、特別受益・寄与分を考慮した具体的相続分は原則として扱いが制限されます。10年を過ぎると遺産分割自体ができなくなるわけではありません。2023年4月1日より前の相続には経過措置があり、調停・審判の申立時期や例外によって結論が変わります。法務省の相続登記・遺産分割の案内を確認し、具体的な期限は弁護士に相談してください。
よくある質問
遺言、協議、登記名義によって結論が変わります。
遺産分割協議がまとまる前に売却できますか?
査定や物件調査は先にできますが、売却契約には権利者全員の意思と手続きの整理が必要です。未分割の遺産を共同相続人全員で売る場合などの法的手順は個別に異なります。亡くなった方名義のまま買主への移転を終えることはできず、登記と税務を司法書士・税理士に確認します。
換価分割で代表者一人の名義にしても問題ありませんか?
換価の便宜として代表者名義を用いる方法はあります。ただし、協議や調停の内容、売却代金の実際の分配、譲渡所得の申告が整合していることが重要です。協議書の文案と登記・税務は事前に専門家へ確認してください。
代償金はどう計算するのが一般的ですか?
一律の式はありません。例えば兄弟で同額取得に合意し、実家4,000万円を兄、預金1,000万円を弟が取得するなら、兄が弟に1,500万円を支払うと各2,500万円相当です。価格の根拠、債務、ほかの財産と支払能力を確認し、相続税の計算は税理士に相談してください。
共有名義の自分の持分だけを売れますか?
遺産分割後の通常の共有持分なら、自分の持分だけを譲渡することは原則可能です。ただし家全体は売れず、持分だけの買い手や価格は別の問題です。遺産分割前の遺産共有、抵当権、契約上の制限などは弁護士・司法書士に確認してください。
相続した家は何年以内に売ると有利ですか?
全員に共通する有利な年数はありません。相続空き家特例には相続開始から3年経過日の属する年末と現行制度の2027年末、取得費加算には相続税申告期限を基準とする別の期限があります。対象者と物件要件、使えない組み合わせを税理士に確かめ、管理負担や販売期間と合わせて判断します。
まとめ|査定を共通資料にして分け方を決める
全員の希望、利用予定、価格・費用・期限をそろえます。現金化は換価、一人の保有は代償、共同管理は共有、他の遺産があれば現物分割も候補です。
- 売るなら、売出価格ではなく費用・ローン・税金を踏まえた概算手取りで話す。
- 残すなら、代償金の根拠と資金計画、維持費の負担を確認する。
- 共有するなら、管理・利用・売却を決める方法を書面に残す。
査定額は家族が同じ数字で比べるための資料です。登記・税務・争いは各専門家と確認します。売却と保有の比較は相続した家・空き家の売却・保有・賃貸も参照してください。
全国の相続不動産相談・査定に対応
遠方の不動産や相続人が離れて暮らす場合も、価格の根拠、売却期間、概算手取りを整理します。分け方が未定でもご相談いただけます。査定は成約価格や手取り額を保証しません。法律・税務・登記は各専門家にご確認ください。
電話受付10:00~19:00/定休日は毎週水曜。フォームは営業時間外も送信できます。
この記事を書いた人
主な公的一次情報と確認日
- 法務省|相続登記の申請義務化、住所等変更登記の義務化、所有不動産記録証明制度
- 国税庁|換価分割の登記と贈与税、未分割遺産の換価と譲渡所得、代償分割の相続税
- 国税庁|取得費加算、相続空き家の特別控除
- 裁判所|遺産分割調停、不在者財産管理人
制度・出典の確認日:2026年9月28日。
本記事は一般情報です。遺言、権利、登記、税額・特例、期限は個別資料と最新の公的情報に基づき、弁護士・司法書士・税理士・法務局・税務署等へ確認してください。






















