離婚でオーバーローンの家はどうする?不足額の負担と売却の選び方【台東区・荒川区の不動産売却ならセンチュリー21クレール不動産】
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離婚でオーバーローンの家はどうする?不足額の負担と売却の選び方記事更新日:2026-10-30
離婚で家はどうする?住宅ローンの残債や財産分与で揉めないための知識をまとめました。ペアローンやオーバーローンの対処法など、円満に解決するためのコラム集です。
離婚に向けて持ち家を手放そうとしたとき、「売ってもローンが残りそう」「足りない分を用意できない」「相手から不足分を半分払うよう求められた」といった迷いで、話が止まることがあります。売却代金で住宅ローンを完済できない状態を「オーバーローン」といいますが、オーバーローンだからといって、すぐに任意売却を選ぶ必要はありません。いくらで売れそうか、決済日にいくらあれば完済できるか、売却にいくらかかるか、生活費を残して出せるお金はいくらか。この4つを数字にすると、選べる方法と相談先が絞られていきます。
結論:オーバーローンの家は、まず不足見込額を試算し、金融機関に対して誰が返済・保証の責任を負うかと、夫婦の間で不足分をどう負担するかを分けて考えたうえで、売却、返済の継続、借入先への相談などを比べます。残債の負担は、「離婚だから当然に折半」とも「ローンの名義人でなければ無関係」とも一律には決まりません。
離婚協議書や公正証書で負担を取り決めても、それは夫婦の間の約束で、金融機関との借入契約や保証契約は当然には変わりません。債務者や保証人を変えるには、借入先の審査と承諾を得る必要があります。
家の価格、住宅ローンの完済見込額、売却諸費用をそろえ、不足額と選択肢を確認します。(画像はイメージです) この記事の要点- 不足額の出し方:決済日の完済見込額+売却諸費用-想定成約価格。そこから出せる自己資金を引いた額が、別に手当てする金額です
- 責任の分け方:金融機関への返済責任は契約上の立場で、夫婦間の負担は財産分与や合意で決まります
- 返済が苦しいとき:滞納を待たずに借入先へ相談します。任意売却をしても、売却代金で返し切れない債務は当然には消えません
- 住み続けるとき:返済と維持費の負担、返済状況の共有方法、期限、返済が止まったときの対応を書面にします
- 相談の順番:名義と契約→価格・完済額・費用→借入先・専門家→夫婦の合意→実行
離婚時に家がオーバーローンだったら、何から確認する?
最初に確かめるのは、家の所有者、住宅ローンの債務者、保証人や担保を提供している人、いま住んでいる人の4つです。金融機関に対して誰が責任を負うのか、売却に誰の協力が要るのか、借入先への申し出を誰がするのかは、この4つで決まります。
オーバーローンとは、家の想定成約価格(実際に売れると見込まれる価格)が住宅ローンの残高を下回り、売却代金だけでは完済できない状態です。住宅ローンを完済しないと、通常は家に設定された抵当権(返済が滞ったときに金融機関が家を競売にかけられる権利)を抹消できず、買主へ引き渡す売却を進めにくくなります。
4つの立場と、確かめる書類- 所有者:登記事項証明書で所有者と持分を見ます。共有名義なら、家全体を売るには共有者全員の協力が要ります
- 債務者:住宅ローンの借入契約書(金銭消費貸借契約書)で、誰が借りているかを見ます。夫婦の連帯債務やペアローンもあります
- 保証人・担保提供者:配偶者が連帯保証人になっていないか、物上保証(他人の借入れのために自分の家や持分を担保に入れること)をしていないかを、契約書と登記で見ます。保証会社が付いている場合は保証委託契約書も手元に置きます
- 居住者:名義人が家を出て、名義人でない人だけが住む状態になると、借入先への届出や承諾を求められる場合があります
家の整理と離婚の手続は別に進む
家の売却や住宅ローンの完済は、離婚が成立する条件ではありません。ただ、離婚しても共有名義や借入契約はそのまま残るため、離婚後も売却への協力や返済の負担は続きます。また、離婚後に財産分与を家庭裁判所へ申し立てる場合には期間の制限があります。家の整理に時間がかかりそうなときは、申立ての期限を離婚の時期とあわせて弁護士に聞いておきます。
返済が苦しくなりそうなら、遅れる前に借入先へ
別居や収入の変化で返済が続けられなくなりそうなときは、遅れが出る前に借入先へ相談します。たとえば住宅金融支援機構は、返済期間の延長や一定期間の返済額の減額といった返済方法の変更メニューを設け、手続は返済中の金融機関に連絡するよう案内しています。ただし、希望どおりに変更できるとは限らず、内容によっては総返済額が増えることもあります。民間の住宅ローンで何ができるかは、借入先ごとに異なります。
相手方が売却そのものに反対している場合は、不足額を計算する前に、売るかどうかの合意が先になります。その場合の進め方は共有名義の家を売却拒否された場合の対処法で解説しています。
売却時の不足額はいくら?残債・諸費用・自己資金から計算する
売却時の不足見込額は「決済日の完済見込額+売却諸費用-想定成約価格」で計算します。答えがプラスなら、通常の売却ではその金額を自己資金などで補わないと、ローンを完済して抵当権を抹消できません。そこから、生活費を残して出せる自己資金を差し引いた残りが「未充足額」で、この金額をどう手当てし、誰が負担するかが、夫婦の話し合いの中心になります。計算結果がゼロ以下なら、この計算の範囲では不足はありません。
「オーバーローン」は売却価格とローン残高だけを比べた言葉ですが、決済の日には仲介手数料や登記費用も支払います。ローン残高より少し高く売れそうでも、費用を含めると現金が足りないことがあるため、両方を計算に入れます。
- 想定成約価格を不動産会社に確かめる。査定価格は不動産会社の見立て、売出価格は広告に載せる価格、成約価格は実際に売れた価格です。資金計画は、いちばん高い査定額ではなく、比較した成約事例などの根拠を聞いたうえでの成約見込みで立てます。
- 決済予定日の完済見込額を借入先に出してもらう。返済予定表の残高は、その時点の元金です。決済日に一括で返す金額には利息や繰上返済の手数料が加わることがあるため、借入先に試算を依頼し、手数料が含まれているかも聞いておきます。含まれていれば、売却諸費用に重ねて数えません。
- 売却諸費用を見積もる。仲介手数料、売買契約書の印紙税、抵当権抹消登記の費用、司法書士報酬などです。項目は売却諸費用の案内で確認できます。
- 生活費を残して出せる自己資金を決める。預貯金から当面の生活費や予備費を残した金額です。婚姻中に夫婦で貯めた預貯金は財産分与の対象になり得るため、どの預貯金を充てるのかも夫婦で合意しておきます。
説明用のケース1(仮定):売却代金と預貯金を合わせても完済に届かない計算の流れを示すために条件を置いた仮定で、実際の相談事例や地域の相場ではありません。離婚に伴って持ち家を売る夫婦について、根拠を確かめた想定成約価格が3,000万円、借入先に試算してもらった決済日の完済見込額が3,250万円、充てられる預貯金が300万円という場面を考えます。
ケース1の不足見込額と未充足額(仮定) 項目 金額 考え方 想定成約価格 3,000万円 根拠を確認した成約見込みの価格 決済日の完済見込額 3,250万円 借入先が算出する一括返済額(手数料を含む前提) 売却諸費用 125.6万円 仲介手数料105.6万円(上限額で計算)+その他の費用20万円 不足見込額 375.6万円 3,250万円+125.6万円-3,000万円 充当できる自己資金 150万円 預貯金300万円から生活の予備費150万円を残した額 未充足額 225.6万円 375.6万円-150万円。この分の手当てと負担を決める 仲介手数料は、消費税抜きの売買代金を3,000万円とし、課税事業者である仲介業者へ上限額(3,000万円×3%+6万円=96万円、消費税10%を加えて105.6万円)を支払う前提です。その他の費用20万円は、印紙税・抵当権抹消登記・司法書士報酬などをまとめて置いた仮の金額で、完済見込額に含めた手数料は重ねていません。
判断の分かれ目:このケースでは、売却代金と自己資金を合わせても225.6万円が足りません。分かれ目は3つです。1つ目は3,000万円という価格の根拠で、比較した成約事例が広さ・築年数・管理状況の近い物件かを不動産会社に確かめます。2つ目は預貯金300万円の扱いで、婚姻中に夫婦で貯めたお金なら、売却に充てる分と残りの分け方を財産分与の中で決めることになり、弁護士に相談する事柄です。3つ目は225.6万円を誰がどう用意するかで、用意できなければ不足額を用意できない場合の選択肢を比べます。
計算の際に気をつけたいのが手付金です。買主から受け取る手付金は売買代金の一部で、決済時に残代金と合わせて売買代金の全額になります。別の収入として上乗せすると、不足額を小さく見誤ります。また、引越し費用、新居の初期費用、売却後に税金がかかる場合の納税資金は、決済の不足額とは別に必要になります。決済に回すお金と、離婚後の生活に残すお金は分けて見込んでおきます。
残債がある家の売却手順そのもの(査定から決済・抵当権抹消まで)は、住宅ローンが残る家の売却とオーバーローンの対処法で詳しく説明しています。
不足額は夫婦で折半?銀行への責任と夫婦間の負担を分ける
不足額の負担は、「金融機関に対して誰が返す責任を負うか」と「夫婦の間で最終的にどう分けるか」の2つに分かれます。前者は住宅ローンや保証の契約で、後者は財産分与や夫婦の合意で決まり、どちらも登記の名義や持分の割合だけでは決まりません。相手方から半分の負担を求められたときは、まず自分の契約上の立場を確かめ、そのうえで夫婦間の分け方を考えます。
金融機関に対する責任は契約上の立場で決まる
借入先から見た責任は、契約書に誰がどの立場で署名・押印したかで決まります。
住宅ローン契約上の立場と金融機関への責任 立場 金融機関への責任 注意点 単独債務 契約した本人が返済義務を負う 配偶者が連帯保証人や担保提供者になっていないかを確認する 連帯債務 金融機関は、連帯債務者の一人に全部または一部の返済を請求できる(民法第436条) 夫婦の負担割合を決めても、金融機関への責任の範囲は変わらない ペアローン 夫婦がそれぞれ別のローンを返済する 互いの連帯保証人になっている場合は、相手のローンについても請求を受け得る 連帯保証 債務者が返済しないと、保証人として請求を受け得る。先に債務者へ請求するよう求めることはできない(民法第454条) 離婚しても保証契約は自動的には外れない 物上保証 他人の債務のために自分の家・持分などを担保に提供している。担保提供だけなら、借入金そのものを返済する義務は負わない 担保に入れた家・持分は競売の対象になり得る。別途、連帯保証や連帯債務も負っていないか確認する 連帯債務者の一人が返済し、ほかの連帯債務者もその分の債務を免れた場合、返した人は各自の負担部分に応じて相手に支払いを求められます。これを「求償」といいます(民法第442条)。ただし、求償は夫婦の間の精算で、金融機関への返済責任とは別の話です。返済の前後に相手へ知らせなかったことで求償が制限される場合もあるため(同第443条)、相手の分まで立て替えて払うときは、精算の方法を弁護士に確認しておきます。2本のローンを組んでいる場合は、ペアローンで買った家を離婚時に整理する方法も参考になります。
夫婦の間の負担は、財産分与と合意で決まる
財産分与は、夫婦が婚姻中に協力して取得した財産を、離婚の際または離婚後に分ける制度です(民法第768条)。協議が調わない場合、家庭裁判所は、婚姻中に取得・維持した財産の額や各自の寄与の程度、婚姻期間、収入などの一切の事情を考慮して、分与するかどうかや額・方法を定めます。
家がオーバーローンのとき、その不足分を預貯金などほかの財産とどう差し引きするか、夫婦がどの割合で負担するかは、家を買った時期と頭金の出どころ、別居後に誰が返済してきたか、ほかの財産や負債、すでに交わした合意によって判断が分かれます。「オーバーローンだから財産分与は一切ない」とも「残債は当然に折半」とも言い切れないため、相手方から割合を示されたら、その場で応じる前にこれらの事情を書き出し、弁護士に相談します。
借入先と弁護士では、聞く内容が違います借入先と弁護士に確認すること 確認先 確認すること 借入先の金融機関 決済日の完済見込額、契約上の債務者・保証人、返済条件の変更、債務者や保証人の変更の可否、任意売却の相談窓口 弁護士 不足額の夫婦間の負担割合、他の財産との差し引き、離婚協議書・公正証書の内容、相手方と合意できない場合の手続、財産分与の申立期間 不足額を用意できない場合の選択肢と条件
不足額を自己資金で補えない場合は、返済を続けて時期を見直す、借入先に返済条件を相談する、一方が取得する、任意売却を相談するといった方法を、条件と確認先で比べます。どの方法にも成立の条件があり、借入先の審査や同意の結果によっては選べないこともあります。
不足額を用意できない場合の主な選択肢 選択肢 検討できる条件 確認先 注意点 自己資金等で補って通常売却 未充足額を、生活費と新居の費用を残したうえで用意できる 不動産会社・借入先 誰の資金で補うかを財産分与と合わせて合意する 返済を続けて時期を見直す 返済を続けられる収入があり、返済者・居住者・管理の負担を決められる 借入先・弁護士 将来の値上がりを前提にしない。いつ再検討するかの期限を決める 返済条件の変更を相談 返済額の負担が一時的・部分的に重く、変更後なら返済を続けられる 借入先 承認されるとは限らず、総返済額が増える場合がある 一方が取得・借り換え 取得する側が、残債の処理に必要な資金や新たな融資の審査を満たせる 借入先・司法書士・弁護士 名義を変えるだけでは不足額は消えない。所有権・債務・保証を別々に整理する 任意売却を相談 完済も返済の継続も難しく、債権者が売却価格と抵当権抹消に同意する 借入先・弁護士 売却後の残債は当然には免除されない。成立も保証されない 返済を続けながら時期を見直す場合
返済を続けている間に残高が減り、不足額が小さくなることはありますが、家の価格が上がるかどうかは分かりません。この方法では、誰が返済し、管理費・固定資産税などを誰が払い、何年何月に売却を再検討するかを決めておきます。返済額の負担が一時的に重いだけなら、前述の返済条件の変更を借入先に相談する方法もあります。別居中の住宅ローンの負担と生活費の関係は、別居中の住宅ローンと婚姻費用の負担で解説しています。
一方が取得・借り換えを検討する場合
一方が家を取得して住み続ける場合でも、オーバーローンの不足額は、名義を変えるだけでは解消しません。取得する側が新たな融資で既存のローンを完済するなら、融資額は収入や担保評価などの審査で決まり、残高の全額を借りられるとは限りません。取得の手順は住宅ローンが残る家を妻が買い取る方法で解説しています。
住宅金融支援機構の融資では、離婚などの場合に、機構の承諾を得て債務を引き継げる場合があると案内されています。引き継ぐ人がその住宅に住み、機構の債務を返済することが条件で、審査の結果によっては認められなかったり、一部繰上返済や新たな債務者の追加を求められたりすることがあります。これは同機構の取扱いで、民間の住宅ローンで同じことができるかは、借入先ごとに確かめます。
任意売却を相談する場合
任意売却は、住宅ローンを完済できない状態で、債権者の同意を得て抵当権を抹消してもらい、通常の市場で売却する方法です。競売のような法的手続による強制的な処分ではありませんが、債権者が価格や手続に同意しなければ成立しません。
任意売却では、相談の段階と正式な申出の段階を分けて考えます。借入先に「任意売却という方法を取れるか」「どんな手順か」を尋ねるのは事前相談で、この段階で契約上の扱いが変わるわけではありません。一方、住宅金融支援機構の場合、全額繰上償還請求を受ける前に正式に申し出るときは、原則として「期限の利益」(約束した返済期日までは一括返済を求められない利益)を放棄する書式を提出します。提出すると残債全額の繰上償還を催告されることにつながり、一定の機構団信(団体信用生命保険)に加入している場合は、保障が終了する扱いも示されています。署名の前に借入先から効果の説明を受け、必要なら弁護士にも確認します。
任意売却で確かめておくこと- 残債の扱い:任意売却だけでは、売却代金で返し切れない債務は免除されません。残債の返済方法と、連帯保証人・連帯債務者への影響をそれぞれ確認します
- 売出価格の承認:住宅金融支援機構は、機構が確認していない価格で売り出した場合などには、抵当権の抹消に応じられないことがあると案内しています
- 意図的な滞納はしない:滞納しなければ相談できない、滞納すれば必ず成立する、というものではありません。まず借入先へ相談します
- 他の金融機関との違い:住宅金融支援機構の書式・承認条件・費用の取扱いを、他の金融機関へそのまま当てはめることはできません。自己破産や個人再生は、任意売却とは別の手続です
競売との違いや、滞納から競売までの流れは任意売却の流れ・残債・競売までの確認で解説しています。
買取・親族間売買・リースバック、借入れでの穴埋めの注意点
不動産会社による買取は価格・引渡し条件、親族間売買は適正価格・買主の資金調達、リースバック(売却後に賃料を払って住み続ける方法)は売却価格・家賃・賃貸借期間などを確かめます。買取やリースバックの提示価格が仲介での想定成約価格より低ければ、不足額はかえって増えます。どの方法も、契約の名称だけで完済資金の不足を解消できるわけではありません。
新居の購入とあわせて残債を借り入れる住み替えローンは、新居の取得を前提とした商品で、条件は金融機関ごとに異なり、離婚時の不足額を誰でも借りられるものではありません。不足額を高い金利の借入れで埋めると離婚後の家計を圧迫するおそれがあるため、借り入れる前に借入先や弁護士へ相談してください。
すでに売り出していて、値下げすると完済できなくなるために販売が止まっている場合は、離婚で売り出した家が売れないときの見直しも参考になります。
売るか決める前に、家の価格とローンの不足額を確認しませんか。
住宅ローンの残高や返済予定表をもとに、想定成約価格と売却諸費用から不足見込額を出すお手伝いをします。まず机上査定で価格帯を知る方法もあり、査定を依頼しても売却する義務は生じません。名義人でない配偶者の方からのご相談も受け付けています。なお、家を売るには、所有者の意思と必要な権限の確認が別途必要です。
フォームの「ご相談内容」で「その他」を選び、「その他お伝えしたい事」に「離婚」と、ご希望の連絡方法・時間帯をご記入ください。
営業時間 10:00~19:00/毎週水曜日定休。完済見込額や任意売却の可否は借入先金融機関の判断です。
一方が住み続ける場合に決めること
オーバーローンの家に一方が住み続ける場合は、返済と維持費の負担、返済状況の確かめ方、住む期限、返済が止まったときの対応を書面で決めます。夫婦で決めても借入先の承諾が不要になるわけではなく、家を出る側が連帯保証人のままなら、保証が残ることを前提に取り決める必要があります。
説明用のケース2(仮定):相手方が住み続けて返済すると約束しても、連帯保証が残る説明のために条件を置いた仮定で、実際の相談事例ではありません。家と住宅ローンはどちらも相手方の単独名義で、あなたはその住宅ローンの連帯保証人です。売ると不足が出るため、離婚後は相手方が住み続けて返済を続け、あなたは家を出る、という内容で離婚協議書を作る場面を考えます。
判断の分かれ目:協議書の約束は夫婦の間の取り決めで、借入先との保証契約は変わりません。相手方の返済が止まれば、あなたは保証人として請求を受けることがあり、先に相手方へ請求するよう求めることもできません(民法第454条)。分かれ目は、保証を外す手段が実際にあるかどうかです。保証から外れるには、借り換えなどで既存のローンを完済するか、借入先の審査を経て代わりの保証人や担保を認めてもらう方法がありますが、オーバーローンの家では借り換えの融資額が足りず、すぐには外せないこともあります。
確かめること:借入先には、保証を外す条件と必要書類を聞きます。保証が残る前提で暮らすなら、相手方の返済状況をどう確かめるかを決めておきます。保証人が借入先に返済状況の情報提供を請求できる場合があり(資料と相談の順番で説明します)、個人の保証人には、債務者が期限の利益を失ったことを借入先が知ってから2か月以内に通知することになっています(同第458条の3)。協議書には、返済が滞ったときの連絡期限や、売却を再検討する時期を入れておく方法があり、その書き方は弁護士に相談します。
住み続ける場合に取り決めておく項目- 毎月の負担:住宅ローン、管理費・修繕積立金、固定資産税・都市計画税、火災保険料を誰が払うか
- 修繕費:設備の故障や大規模な修繕が必要になったときの負担
- 返済状況の共有:返済している側が、もう一方にどのように返済状況を示すか
- 期限と再検討日:いつまで住むか、何年何月に売却や取得を再検討するか
- 返済が難しくなったとき:誰が誰へ、いつまでに連絡し、どう対応するか
所有権の移転と、住宅ローンの債務者の変更は別の手続です。離婚協議書や公正証書に「家は妻のものとし、ローンは妻が払う」と書いても、借入契約の債務者・保証人は当然には変わりません。名義を移す登記は司法書士、借入契約の変更は借入先に相談します。
財産分与、養育費、慰謝料、住宅ローンの返済は、それぞれ性質の異なるお金です。たとえば養育費の代わりにローンを払うと決めるなら、ローンが止まったときに養育費をどう扱うかまで含めて、弁護士に相談してください。
連帯保証から外れる方法は離婚後に住宅ローンの連帯保証人から外れる方法、元配偶者名義のローンが残る家に住み続けるリスクは元配偶者名義の住宅ローンが残るリスクと対処法で解説しています。
合意前に揃える資料と、相談する順番
夫婦で不足額の負担を決める前に、名義・契約・価格・費用・家計の資料を揃え、内容ごとに相談先を分けます。同じ資料をもとに話し合えば、「どちらの数字が正しいか」で協議が止まりにくくなります。
揃えておく資料- 登記事項証明書(所有者・持分・抵当権の確認)
- 住宅ローンの金銭消費貸借契約書、保証委託契約書、返済予定表、残高が分かる資料
- 借入先が算出する決済予定日の完済見込額
- 査定書と査定の根拠(比較した成約事例など)
- 売却諸費用の見積り
- 家計の収支と、充当できる自己資金の一覧
- 離婚協議書や合意書の案、相手方とのやり取りの記録
- 名義と契約を確かめる。所有者・債務者・保証人・抵当権の範囲を、登記と契約書で見ます。
- 価格・完済額・諸費用をそろえる。想定成約価格、完済見込額、売却諸費用から不足見込額と未充足額を出します。
- 借入先と専門家に相談する。借入先には返済・契約変更・任意売却を、弁護士には夫婦間の負担と合意の内容を聞きます。
- 方法と負担を合意する。どの方法を選び、不足額や維持費を誰がどれだけ負担するかを書面にします。
- 売却などを実行する。媒介契約、売買契約、決済・登記へ進みます。
返済が難しくなっている場合や、借入先・裁判所などから期限のある通知が届いている場合は、この順番を待たずに借入先や弁護士へ相談してください。
自分が債務者ではない場合、相手方のローンの残高や返済状況を、金融機関が当然に教えてくれるとは限りません。本人の同意や必要な書類を借入先に確認するか、債務者である相手方に資料を出してもらいます。ただし、主債務者の委託を受けて保証した人は、民法第458条の2に基づき、不履行の有無や残額などの情報を債権者に求めることができます。保証契約と本人確認の書類を借入先へ示し、提供される情報の範囲を聞いてください。
借入先からの通知、返済の履歴、相手方との連絡の記録は保存しておき、書面の内容や法的な判断は弁護士に確認します。
台東区・荒川区で家の価格と不足額を調べる際の確認点
不足額は想定成約価格で大きく変わるため、地域の平均ではなく、物件ごとの条件を反映した査定根拠で確かめます。台東区・荒川区の住まいでも、マンション・戸建て・借地権付き建物のどれかによって、価格や決済に影響する確認事項が異なります。
マンションでは、管理費・修繕積立金の額と滞納の有無、修繕積立金の値上げ予定、大規模修繕の時期を見ます。滞納分があれば精算方法を管理組合などに確かめ、売主側で支払う金額を資金計画に入れます。
戸建て・土地では、建築基準法上の道路への接道、境界の確定、再建築の可否、私道の通行・掘削の承諾を見ます。こうした条件は買主の住宅ローンや建て替えの計画に影響し、想定成約価格を左右します。
借地権付き建物では、借地契約の内容、残存期間、地代の状況、譲渡するときの地主の承諾を見ます。借地の売却は借地権の売却相談でもご案内しています。
地域の価格の目安は台東区の不動産売却相場・荒川区の不動産売却相場で確認できますが、相場をそのまま自宅の価格に当てはめず、査定で使った成約事例や物件の条件を確かめてください。
相談内容ごとの確認先- 価格・売却の実務・不足見込額の試算:不動産会社
- 返済・融資・債務者や保証人の変更の承諾・任意売却:借入先の金融機関
- 法的な責任・夫婦間の負担と合意:弁護士
- 所有権移転・抵当権抹消の登記:司法書士・法務局
- 売却や財産分与に伴う税金:税理士・税務署
まとめ:不足額を数字にし、責任と負担を分けて選ぶ
離婚時の家がオーバーローンでも、不足額を数字で出し、金融機関への責任と夫婦間の負担を分けて考えれば、選べる方法と相談先が見えてきます。
- 4つの立場を確かめる。所有者・債務者・保証人・居住者を登記と契約書で見ます。
- 不足額を計算する。完済見込額+売却諸費用-想定成約価格から、充当できる自己資金を差し引きます。
- 責任と負担を分ける。金融機関への責任は契約で、夫婦間の負担は財産分与と合意で決まります。
- 方法を条件で比べる。通常売却、返済継続、返済条件の相談、一方の取得、任意売却を、確認先とあわせて比べます。
持ち家の選択肢全体を見直したい場合は、離婚時の持ち家・住宅ローン・財産分与もご覧ください。
台東区・荒川区の家の価格と、売却時の不足見込額を確認します。
「売っても残るローンがいくらか知りたい」「住み続けるか売るか決める前に価格を知りたい」という段階でもご相談いただけます。査定を依頼しても、売却や媒介契約を決める義務はありません。名義人でない配偶者の方からのご相談も受け付けています。
フォームの「ご相談内容」で「その他」を選び、「その他お伝えしたい事」に「離婚」とご記入ください。ご希望の連絡方法・時間帯も同じ欄へお書きください。
営業時間 10:00~19:00/毎週水曜日定休
離婚とオーバーローンのよくある質問
オーバーローンの家があっても離婚できますか?
できます。家がオーバーローンであることや、家の完済・売却が済んでいないことは、離婚の条件ではありません。ただし、共有名義や借入契約は離婚で自動的には変わらないため、離婚後の返済・売却への協力・費用負担を決めておきます。財産分与の申立期間は離婚した時期によって異なるため、2026年民法改正と財産分与・住宅ローンを参考に、個別の期限は弁護士へ確認してください。
配偶者名義のローンの不足分を半分払うよう求められたら?
まず、自分が連帯債務者・連帯保証人・担保提供者のどれかにあたるのか、どれにもあたらないのかを、契約書と登記で確かめます。そのうえで、夫婦間でどう負担するかは、ほかの財産や返済の経緯を踏まえた財産分与の問題として考えます。求められた割合にその場で応じず、弁護士へ相談してください。
自己資金がないと家は売れませんか?
通常の売却では、決済時に住宅ローンを完済して抵当権を抹消するため、不足額を補う資金が要ります。自己資金で補えない場合は、返済を続けて時期を見直す、借入先に返済条件を相談する、任意売却を相談するといった方法を、それぞれの条件で比べます。
任意売却をすると残った住宅ローンはなくなりますか?
任意売却だけではなくなりません。抵当権を抹消して売却できても、売却代金で返し切れない債務の免除とは別です。売却後の残債、返済方法、連帯保証人・連帯債務者への影響を借入先へ確認し、債務整理を検討する場合は弁護士へ相談してください。
相手方が住み続ける場合、自分の保証や債務は外れますか?
相手方が住み続け、返済も引き受けると夫婦で決めただけでは外れません。借り換えなどで既存ローンを完済する方法や、借入先の審査・承諾を得て契約を変更する方法を確かめます。代わりの保証人や担保を申し出ても、解除が認められるとは限りません。
売却を決めていなくても査定を依頼できますか?
依頼できます。不足額を計算するために想定成約価格を知る目的で査定を受け、その後に売らないと決めても問題ありません。査定額は成約を保証するものではないため、根拠となった成約事例もあわせて確認してください。
この記事を書いた人
主な公的情報:民法の連帯債務・保証・財産分与に関する規定(第436条・第442条・第443条・第454条・第458条の2・第458条の3・第768条、e-Gov法令検索)、裁判所「財産分与請求調停」、住宅金融支援機構「融資住宅等の任意売却」「任意売却パンフレット」(令和8年4月発行)「返済途中で住宅を他人に譲り渡すとき」「月々の返済でお困りになったとき」、東京都住宅政策本部「不動産取引の手引き」(媒介報酬)。
コラム作成日:2026年10月30日
コラム更新日:2026年10月30日※更新時点の法令・制度・情報に基づく一般的な解説であり、個別案件は専門家・金融機関・行政機関等へご確認ください。査定価格は成約や売却時期を保証するものではなく、返済条件の変更・借り換え・任意売却の成立や税額を保証するものでもありません。
記事作成日2026-10-30
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